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2008年10月03日(金) 00時00分

2秒遅れ(にびょうおくれ)読売新聞


絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ

 2011年にアナログ放送が終了し、テレビ放送は地上デジタルテレビジョン放送、いわゆる地デジのみになりますワン。

 すでに地デジは放送開始しており、すでに切り替えている人も多い状態ですが、まだ改善すべき点がないではありません。そのひとつが2秒遅れの問題です。地デジの番組はアナログ放送から、数秒遅れて各家庭のテレビに映ります。これは録画したものでも生放送でも、同じです。首都圏では約2秒遅れ、地域によってはもっと遅れるところもあるということです。

 なぜこんなことが起こるのかというと、地デジの放送は送受信のときに、データ変換をしなければならないからです。放送局が映像、音声をデジタル放送用の形式に変換する作業をしてから送信し、家庭のチューナーでまた元の形式に戻してテレビに映すのです。この作業に、首都圏ではどうしても2秒かかってしまうというわけですワン。現状では、このタイムラグを短縮することはできても、なくすことはできません。

 ふだんの暮らしの中では特に問題ないのですが、困るのは緊急地震速報です。緊急地震速報もテレビで伝えますから、当然地上デジタル放送になれば遅れて放送されるわけです。地震速報が必ず2秒遅れなんてことでは、速報の意味がなくなってしまいます。当然ですが、地震が起こるならば1秒でも早くわかったほうがいいのですからして。

 現在、この遅れをなんとかしなければ、と総務省が関連団体宛てに技術開発を進めるように要請を出しています。なんとか問題ない程度まで遅延時間を短くしてほしいですなあ。ワンワン。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20081003nt15.htm