2008年10月03日(金) 14時00分
画像によって類似画像を検索する『TinEye』が機能強化(WIRED VISION)
画像ベースの検索エンジン『TinEye』が、9月末にシステムのアップグレードを行ない、画像のインデックス数が10億件を超えた。今年5月の正式リリース時から2倍に増加したことになる。
Googleの画像検索では、[画像を説明する]テキストをベースに画像を探し出すのに対し、TinEyeではユーザーがTinEyeに提供する画像を使い、それをもとに、オンライン上にある類似した画像を見つけ出す。それにはさまざまなバリエーション画像も含まれる。[同様のサービスには、米Riya社の『Like.com』や、日本の『Gazopa』などがある]
TinEyeを構築したカナダのIdee社で最高経営責任者(CEO)を務めるLeila Boujnane氏によると、インデックス数の増加を皮切りに、APIの導入など、TinEyeの機能が今後数週間の間にさらに強化される予定だという。
Boujnane氏によると、ユーザーが探している画像がオンラインに掲載された際に通知する、『Google Alert』に似た新しいサービスも開始する。
さらに、CDジャケットの画像をカメラで取り込むと、該当するCDのページを『iTunes』で表示し、そのまま購入が可能になるという『iPhone』用アプリケーション『TinEye Music』のテストも開始されている。どんな角度や照明で撮影された画像でも対応可能だという。
「われわれが目指すものは、Googleの目標と似ている。それは、実際にインデックス化できるあらゆるメディアをインデックス化することで、その中には画像や動画も含まれている」とBoujnane氏は述べる。
これはかなり高い目標だ。Googleは現時点ですでにおよそ40億から60億の画像をインデックス化しているからだ。
一方、Boujnane氏は、画像コンテンツ監視技術の『Picscout』などのライバルとなるサービスについても意識している。
Idee社はTinEyeの他にも、類似技術を、写真業界向けサービス『PixID』として提供しているのだ。こちらは、著作権のある画像が他の媒体で不正に使用されていないかを自動的に監視するサービスだ。
Boujnane氏によると、Idee社では現在TinEyeの採用について、多数の写真サイトと交渉中だという。その中の1つ『deviantArt』は、TinEyeを同サイトへ直接組み込むことに興味を示している、という。
これは、TinEyeが一般向けの検索市場に参入して成功を収めようとする上で、最も妥当な参入の道のように思える。これが『Flickr』に採用されれば、さらに大きな成功への道が開かれるだろう。
Flickrサイト上で「似た写真を探したい」という好奇心や、あるいは、著作権侵害行為を監視するという目的にとって、TinEyeは効果的な方法となるはずだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000002-wvn-sci