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2008年10月02日(木) 12時25分

楽曲のロイヤリティ引き上げなら、iTunes Store 撤退の可能性も?japan.internet.com

音楽出版社がオンライン販売から得るロイヤリティについて重大な決定が下されようとしている。決定内容によっては、デジタル音楽業界が崩壊に向かう可能性もある。

Copyright Royalty Board (CRB) は2日、作詞家や作曲家が Apple の iTunes Store をはじめとするデジタル音楽ストアから受け取るロイヤリティを、上げるか、下げるか、それとも現状維持するかを決定する。ロイヤリティが引き上げられれば、Apple は iTunes Store を維持できなくなる可能性がある。オンラインとオフラインを含めた音楽の売上で、Apple は米国で最大だ。

今後の方針が決まった後、どのような対策を講じるかについて Apple はコメントを拒否しているが、同社はこれまで、ロイヤリティの引き上げに対して明確に反対してきた。

昨年の CRB の審議で、Apple の iTunes 担当バイスプレジデント Eddy Cue 氏は、Apple が競争力を維持するために、1曲の価格を99セントに維持することが非常に重要だと文書で証言 (PDF) していた。著作権者の要求にしたがってロイヤリティを1曲あたり9セントから15セントに引き上げるとなれば、Apple は販売価格を引き上げるか、ロイヤリティの引き上げで増えるコストを吸収するかを迫られる。Cue 氏は、どちらも受け入れられないと主張した。

Cue 氏は、代金を支払わずに楽曲を入手する違法ダウンロードに対抗していくには、iTunes Store の楽曲の価格を低く抑えることがどうしても必要だと証言している。ロイヤリティの引き上げ分が価格に転嫁されれば違法ダウンロードが増え、Apple のみならず広く音楽業界全体の売上が減少することになる、と Cue 氏は指摘している。

「価格転嫁せず、機械的に引き上げられたロイヤリティ分を (iTunes Store が) そのまま吸収せざるをえないなら、赤字になる可能性が非常に高くなる。これではまったく選択肢にならない」と、Cue 氏は述べた。

同氏はさらに CRB に対し、「もうけがあるからこそ事業を行なっているのだと、Apple は繰り返し説明してきた。利益が得られなくなれば、(iTunes Store の) 営業を続けることはできない」と主張した。

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