2008年10月02日(木) 14時33分
【特別企画】台湾ネットブック開発者インタビュー(Impress Watch)
ASUSTeKでのインタビューにおいて、日本市場および日本モデルの質問については、同社日本地域Eee PC担当アカウントマネージャーのLinda Hsieh氏から書面にて回答を頂いたので、それを紹介する。
●日本でもLinuxや英語キーボードを検討
Q 近い将来、小型化や軽量化の得意な日本メーカーがネットブックに参入しますが、これは脅威と感じていますか。
Hsieh氏 初代Eee PCを出して以来ずっと、我々はこの新しい市場に競合他社が参入してくることを歓迎しています。同時に、我々は、この業界の先駆者として、これまでの実績に得意気になることなく、ユーザーのためにより心に触れるような新製品を作り続けていきたいと考えています。
Q 日本でEee PC 901-Xはベストセラーになっていますが、Cドライブが4GBとしかないということが弱点だとよく指摘されています。
Hsieh氏 我々もユーザーからそういった指摘を頂いており、今後のモデルでは改善していく予定です。実際、10月発売のEee PC 900-Xでは、CドライブにSLC 8GB、DドライブにMLC 8GBという構成になっています。
Q なぜ日本ではLinuxモデルを売らないのでしょう。
Hsieh氏 2007年にEee PCの開発が始まった時、日本人ユーザーはWindowsの方がより慣れていると考え、Windows XPモデルから出すことを決定しました。幸い、この点について日本のユーザーからは良い評価を得られています。Linuxについては、すでに日本語化などの準備は完了しています。ですので、ユーザーからの要望があれば、Linuxモデルも出していきたいと思っています。
Q 日本でEeeゲームコントローラを発売する予定はあるのでしょうか。
Hsieh氏 可能性はありますが、まだ台湾でも発売されていないのです。
Q 日本で6セルバッテリを単体発売する予定はあるのでしょうか。
Hsieh氏 はい、今準備をしているところで、10月中を予定しています。
Q 日本ではモバイルノートにとって、1kgを切るか切らないかということは重要な点になります。Eee PC 901-Xでは、重量よりもバッテリ駆動時間を重要視しているようなのはなぜでしょう。
Hsieh氏 まず、1kgを切るという点だけについて言いますと、Eee PC 701 SD-XやEee PC 900-Xが発売されます。ただ、我々は、外で使うモバイル製品については、重量よりも、長いバッテリ駆動時間の方が、「真のモビリティ」をもたらすと考えています。将来的には、1日中バッテリで動くEee PCを提供したいと考えています。
Q 無線WAN内蔵製品を日本で発売する計画はあるのでしょうか。
Hsieh氏 はい。現在、キャリアと交渉を進めているところです。
Q 日本では一部のユーザーが英語キーボードを希望しています。
Hsieh氏 現時点では日本では日本語キーボードモデルしか販売していませんが、そういった要望があるのであれば、アクセサリで交換用キーボードを出すことを検討します。完成品では、日本語キーボードのみを継続します。
●ターゲットに合わせたデザイン開発
また、システムプロダクトデザイン部門マネージャーのAken Ke氏から、Eee PCのデザインプロセスについて話を聞いてきた。
初代Eee PCは、ネットに触れたことがないユーザーも対象にしていた。そこで、ASUSTeKでは、無印などの日本製品を参考に、シンプルで持ちやすく、打鍵しやすいことをコンセプトにデザインを進めた。例えば、電源スイッチをパームレスト近辺ではなく、液晶ヒンジ部分に持ってきたのも、利便性を考慮してのことという。
デザインはハードウェアだけに限らず、Linuxのユーザーインターフェイスについても、小さな画面に見やすく収まるよう、独自のものを作った。
第2世代以降では、ターゲットが、学生や子供、女性なども含むようになった。そこで、デザインには曲線を取り入れるとともに、カラーバリエーションも増やした。現在、台湾などではブラックとホワイト以外に、ピンクやグリーンがあるが、さらに新色も企画しているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000015-imp-sci