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2008年10月01日(水) 16時59分

ドタバタ相撲協会、外部理事の“物言い”生かせる?夕刊フジ

 元東大の先生あり、元東京高検検事長あり、元警視総監ありと、病める大相撲界には適任。相撲協会は30日、文科省から厳しく求められていた史上初の外部理事に東大名誉教授の伊藤滋氏(77)、元東京高検検事長の村山弘義氏(71)、監事に元警視総監の吉野準氏(73)の就任を決定した。

 長年、力士経験者だけで“お手盛り運営”してきた相撲協会が大胆な組織改革を迫られたのは昨年10月、序ノ口死亡事件で元時津風親方が逮捕された直後だった。自分たちに不都合な外部の影響をできるだけ小さくしようとして、議決権のない監事だけにしようとしたり、気心の知れた運営審議委員会などから選出しようとしたり、さまざまな抵抗を繰り返し、文科省の要求に屈するのに1年もかかる大難産だった。

 いかに相撲協会が世間とズレているか。最近も「77億もの内部留保金は多過ぎる」と文科省の指摘を受けると、「じゃあ、減らせばいいんだろう」とばかり、力士や、親方、協会職員などを対象に「5000万円を上限に金利2%」という低金利で貸し出す制度を設立。名古屋場所中の理事会でさっさと承認したが、再び文科省から「公益法人として、内部留保金をそんなふうに使用するのはマズい」と指摘され、この秋場所2日目に開いた理事会であわてて廃止している。

 こんな組織を世間並みの感覚を植え付け、続出するトラブルの根を断ち切るのは大仕事。監事の吉野氏は「警察もそうだけど、組織のための組織になりがち。これが大相撲だ、という目で相撲協会も見直していかれたらいい」とさらなる組織改革を提案した。しかし、現実問題として外部理事は12人のうちのたった2人。監事は発言権はあっても議決権はなく、どこまで新しい風を吹き込めるかは疑問。

 眠れる大男たちを揺り起こすのは容易なことではない。

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