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2008年10月01日(水) 07時46分

「もう、あかん…」逃げ出した男性、恐怖の証言 個室ビデオ店火災産経新聞

 小雨が降り注ぐ未明の繁華街の一角は、一瞬にして修羅場と化した。1日未明、大阪市浪速区難波中のビデオ試写室で起きた火災で、店内から逃げ出し、間一髪で助かった男性は「煙がすごく真っ暗で何も見えなかった。もうあかんと思った…」と恐怖の表情を浮かべた。

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 この日午前1時前、同店に来店したという伊丹市内の会社員の男性(37)は、室内のソファベッドでテレビを見ていたときに、木が焦げたようなにおいに気付いた。直後に、店の入り口方向から店員の叫び声が響いた。「うわー、なんやこれ!」

 男性は「火事だ」と気付き、ドアを開けると2畳足らずの狭い部屋は一気に黒い煙に包まれたという。人が1人すれ違えるほどの狭い屋内の廊下には煙が立ち込め、何も見えない。2、3人の人にぶつかりながら必死で出口方向に走った。

 外で休んでいると、救急車や消防車が間もなく到着。店内から次々と搬送される客と思われる数人の男性は、現場に横たわったまま動かなかったという。

 男性は「ビジネスホテルより格安なので安易に宿泊に利用していたが、まさかこんなことになるなんて。寝ていたらたぶん助かっていなかったのでは」と話した。

 男性は週に1回程度、同店を利用。夜間は1500円で宿泊できるため、最終電車に乗り遅れたサラリーマンらが利用していたという。

 隣のビルの5階にある雀荘の男性店長(25)は「2時半過ぎぐらいに、焦げ臭いにおいが上ってきたので下りたら、煙で真っ白だった。ビデオ試写室のお客さんに聞いたら、電気がショートして中が見えない様子でまだ寝ているお客さんがいたようだ」と驚いていた。

 現場は難波パークスや大阪府立体育会館などにほど近く、周囲には飲食店などが密集する繁華街。現場一帯には消防車や救急車が停車し、現場のビルの前では、マットの上で倒れた人の心臓マッサージをする救急隊員の姿が見られるなど、騒然とした雰囲気に包まれた。

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