2008年10月01日(水) 03時04分
振り込め詐欺「引き出し役」の画像、警察HPで公開へ(読売新聞)
振り込め詐欺の被害が急増していることを受け、警察庁は、詐欺グループのメンバーが現金自動預け払い機(ATM)で被害金を引き出す様子を映した防犯カメラの画像をホームページ上などで積極的に公開する方針を固め、全国の警察本部に指示した。
「引き出し役」の顔や姿を公表することで、詐欺グループの動きを封じ込めるのが狙い。これを受け、警視庁は「振り込め詐欺対策強化月間」が始まる1日、ATMで被害金を引き出した男2人の映像を公開する。
今年1〜7月の振り込め詐欺被害は、前年比約66億円増の約193億3900万円。このうち約9割は、ATMや金融機関の窓口から振り込まれ、サングラスやマフラーなどで顔を隠した引き出し役がATMで下ろしている。
こうした引き出し役は、インターネット上の闇サイトなどを見て加わった若者が大半で、ATMで引き出した現金は宅配便などを使って詐欺グループの拠点に送るよう指示されることもあり、グループと全く接触しないケースも多い。
このため引き出し役だけを摘発してもグループ本体の捜査は困難で、これが振り込め詐欺の検挙率が10〜20%程度にとどまる要因にもなっている。
警察内部には、防犯カメラの画像を公開すると、詐欺グループに捜査の手が迫っていることを知らせ、摘発がさらに困難になるとして慎重論もあった。
しかし警察庁は、引き出し役の顔や姿を一般公開すれば、安易に引き出し役を引き受けようとする人も少なくなり、抑止効果が望める点を重視。防犯カメラの画像が〈1〉引き出し役と断定できる〈2〉顔がはっきり識別できる−−といった条件を満たした場合、画像を一般公開し、広く情報を求めることを決めた。
警視庁が1日から公開するのは、2件の振り込め詐欺事件に絡み、今年4〜6月、都内の2か所のコンビニエンスストアのATMで現金を引き出している男2人の映像で、同庁のホームページに掲載する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080930-00000071-yom-soci