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2008年09月30日(火) 17時05分

広島市民球場、ラストゲームオーマイニュース

 ついに51年間の歴史に別れの日が来た。9月28日、広島市民球場では公式戦最後の試合となる広島東洋カープ対東京ヤクルトスワローズ戦が行われた。試合は若きエース・前田健太の好投や、主砲・栗原健太の1発などで6-3とカープが快勝して市民球場ファイナルゲームを飾った。

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 28日の試合チケットはすでに8日の時点で全席完売。この日は今季最高の3万609人が詰めかけた。この試合のスタンドは優勝するかのような盛り上がりだった。普段はカープの応援席であるライトスタンドだけ赤く染まるが、この日はどこを見ても赤いユニホームとメガホンを身につけた人の姿が目立った。

 スタンドでは広島東洋カープ私設応援団連盟が用意した巨大横断幕を始めとして市民球場への感謝と惜別の念を表すメッセージボードが目立った。

 この日は来場者全員に「ありがとう」と書かれたポスターが配られ、5回裏と試合後のセレモニーでは観客が一斉に掲げるとスタンドは赤1色になった。

 試合後のセレモニーではファンが歴代のチャンピオンフラッグを持ってグラウンドに登場、その後は選手がグラウンドを1周した後、ファンと一緒に一斉に赤いジェット風船を打ち上げ、「日本シリーズ進出して、もう一度ここへ戻ってくる」という強い決意を見せた。セレモニー終了後も大勢のファンが球場の内外で記念撮影を続けるなど51年間続いた市民球場との別れを惜しんだ。

 広島市民球場は広島市民にとって復興のシンボルであり希望の灯だった。今では2階スタンドが完成したために頭しか見えないが球場は原爆ドームの目の前にある。試合前にはユニホーム姿の若者が原爆ドーム前で熱心に説明文を読む姿も見られる。広島市民にとって単なる野球場以上の思い入れがある場所である。

 市民球場最初の試合は1957年7月24日。阪神相手に先発は「小さな大投手」と呼ばれた故・長谷川良平投手。しかし緊張のためか打ち込まれ 15−1と大敗した。公式戦ラストゲームは2年目20歳の若きエース前田と26歳の主砲・栗原の活躍で完勝した。新しい時代の幕開けを感じさせるような試合内容だった。優勝経験のない若手選手が大半だがプレッシャーを感じさせない戦いを続けている。

 来年からは建設中の新広島市民球場へと本拠地を移転するが、来年は球団創立60周年の記念の年でもある。広島では市民球場との別れを惜しむ半面、新球場への期待も盛り上がっている。選手とファンの心意気は2代目市民球場に移っても引き継がれていくことだろう。

(記者:長迫 厚樹)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080930-00000000-omn-l34