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2008年09月29日(月) 18時42分

三浦容疑者、ロス移送へ 弁護側が保護請求取り下げ中国新聞

 【サイパン(米自治領)29日共同=吉田昌樹】一九八一年の米ロサンゼルス銃撃事件でサイパン拘置中の元会社社長三浦和義みうら・かずよし容疑者(61)=日本では無罪確定=の弁護側は二十九日、サイパンを管轄する米連邦地裁に人身保護請求の取り下げを表明、地裁のマンソン判事はこれを承認した。元社長の身柄は近くロサンゼルスに移送される。

 二月の逮捕から約七カ月、事件の審理に向けた司法手続きがロサンゼルスで始まる。元社長はこれまで逮捕の不当性を主張してきたが、連邦地裁に出廷する直前、弁護人に「今は(ロスを管轄する)カリフォルニア(州)に行く時だ」と語り、自ら移送に同意した。

 ロス郡地裁が逮捕状容疑のうち殺人の共謀を有効と判断したことを受け、方針を変えたとみられる。

 マンソン判事は取り下げ表明を受け、サイパンの連邦地裁が人身保護請求の審理のために出していた移送の一時停止命令を解除。ロサンゼルスの司法当局による移送要員派遣など、準備が整えば移送が開始される。

 サイパンの検察は二十九日中にロサンゼルス郡検察に人身保護請求の取り下げについて報告、ロス市警などが移送のタイミングや方法などを詰める。

 三浦元社長は、日本からサイパンを訪問中の今年二月二十二日に逮捕され、拘置されている。二〇〇三年に妻一美かずみさん=当時(28)=銃撃事件では日本で無罪が確定しているため、逮捕は不当だとして人身保護請求したが、サイパンの地裁は今月十二日、請求を棄却した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200809290139.html