2008年09月29日(月) 15時07分
麻生首相 所信表明で民主攻撃 「政策合意にルールを」(毎日新聞)
麻生太郎首相は29日午後、衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説を行った。首相は「日本は強く、明るくなければならない」とした上で、「日本の底力」を強調した。政策課題は「あえて喫緊の課題のみ」に絞り、最重要視する景気対策では、補正予算案への対応を明らかにするよう民主党に迫った。
首相は冒頭、内閣が交代したことと、中山成彬国交相の問題発言を陳謝した。その上で国会運営に関し「合意形成をあらかじめ拒む議会は、議会制民主主義の名に値しない」と、参院で多数を握る民主党の戦術を強く批判。「ねじれ国会」での与野党政策合意に向けたルール作りを呼びかけた。
経済立て直しに向けては、「当面は景気対策、中期的に財政再建、中長期的には改革による経済成長」の3段階で臨み、「大体3年」でめどをつけると主張した。11年度までに国と地方の基礎的財政収支を黒字化する政府目標については、「達成すべく、努力する」と述べるにとどめ、財政再建への姿勢は後退した。
野党が廃止を訴える、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の混乱には「強く反省する」と陳謝。ただ「制度をなくせば解決するものではない」とも述べ、1年後をめどにした見直し検討を表明した。また、検査で不正を見逃した汚染米の転売事件でも「見逃した行政に対する国民の深い憤りは当然至極。幾重にも反省を誓う」と述べた。
海上自衛隊によるインド洋での給油活動は「国際社会の一員たる日本が、活動から手を引く選択はあり得ない」と強調。来年1月に期限を迎える新テロ対策特別措置法の延長に意欲を示し、民主党の見解をただした。【坂口裕彦】
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