中山成彬国土交通相(65)は27日、日本教職員組合(日教組)などをめぐる一連の発言に関し「自らの発言が国政の停滞や国交省行政に悪影響を及ぼしてはならない」として、辞任する意向を固めた。関係者が明らかにした。28日朝にも麻生太郎首相に正式に伝え、首相も認める見通しだ。
首相は辞任で事態の沈静化を図りたい考えだが、任命責任を問われるのは必至。内閣発足早々の閣僚辞任は政権運営に大きな打撃で、11月に想定する次期衆院選への影響は避けられない。
中山氏は「日本は単一民族」発言や、成田空港反対闘争を「ごね得」とした発言などについていったん撤回したが、27日、宮崎市での自民党会合などで「日教組を何とか解体しなきゃいかんと思っている」「日本の教育の『がん』である日教組をぶっ壊すために私が頭になる決意を示した」と述べた。
これに関連し、民主党の小沢一郎代表は京都市での記者会見で「不見識で軽率、偏った発言だ。国務大臣としての資質と見識が問われる」と批判。与党内でも笹川尭自民党総務会長が共同通信の取材に「国会審議が止まるとなると責任がある。残念だが、本人が進退を決めるしかない」と述べていた。
中山氏は25日の報道各社とのインタビューで大分県の教員汚職事件に関し「体たらくは日教組(が原因)。日教組の子供は成績が悪くても先生になる」と述べたほか、「日本は随分内向きな単一民族」「(成田空港反対闘争は)ごね得というか、戦後教育が悪かった」などと発言。その後、発言を撤回するコメントを発表していた。
27日の宮崎市での会合で中山氏は「日教組には一生懸命にやっている方もいるが、一部の方々は考えられないような行動を取っている。国会を取り巻いたり、過激な性教育も行われている。国旗国歌についても教えない。何よりの問題は道徳教育に反対していることだ」とも述べた。この後、都内に戻り記者団に「国交相を離れて一政治家として発言した」と強調した。
(共同)