2008年09月24日(水) 09時55分
「幼稚園」に「フィットネス」 人間並みペットサービス盛況(J-CASTニュース)
犬や猫向けのフィットネス、酸素カプセルや「幼稚園」といった人間並みサービスが登場し始めた。値段はそこそこするが、大切な「我が子」のためには惜しくないというわけか、利用する飼い主が増えている。
■「ようちえん手帳」をトレーナーに渡す
ペットフード工業会の調査によると、2007年度の犬猫飼育頭数は、犬が1252万2000頭、猫が1018万9000頭。前年に比べて犬は40万頭、猫は59万頭以上も増えた。これに比例するようにペット向けサービスが盛んになり、その内容も「人間並み」になっている。
TV番組でも活躍する家庭犬のトレーニングインストラクター、鳴海治さんが経営する「犬の学園パッピーナようちえん」(東京都江東区)は、その名の通り、犬版「幼稚園」だ。朝10時に登園すると、飼い主は健康状態や連絡事項を書いた「ようちえん手帳」をトレーナーに渡す。簡単な健康チェックを行い、怪我をしていないか、熱がないか、ノミやダニの有無を調べる。その後、トイレの練習、遊びの時間、散歩、ランチタイム、昼寝と、夕方5時の帰宅時間までスケジュールがぎっしり。鳴海園長は、
「入園できる期間を生後19週目までに限定しています。早い時期に遊びを通して色んな経験をさせることで、無駄吠えや人を噛むという危害を与えない子に育てます」
と話す。
トレーナーが3頭以上の犬を遊ばせながら集団のルールを教えていく。始めの1カ月は週3日、その後は週2日のペースで3カ月間通う。料金は基本コースがトータル33回で、19万9500円(一括払い、入園料別途3万1500円)。1回あたりに換算するとおよそ6000円。ペットホテルに半日預ける場合でも数千円かかり、しつけも学べるので高くはないということなのだろう。07年6月にオープンしてから80頭以上預かった。
卒園後もここを利用する人は多く、その理由を園長はこう説明する。
「ドッグラン(犬を自由に遊ばせる専用の場所)でも、きちんとしつけられていない犬がいるので、事故が起こっています。当園の場合は、訓練を受けた犬同士で遊べるため、安心なのでしょう」
■人間のように生活習慣病になるケースが増えている
リラクゼーションカフェ「OWND cafe 代々木上原店」(東京都渋谷区)には、ペット用に開発した酸素カプセルがある。酸素を体液の中に溶け込ませることで細胞の隅々に供給し、ストレス解消や疲労回復、怪我の回復を早めるといった効果が期待できるという。1日あたり10頭弱の犬が利用していて、リピーターが多い。担当者は、「1回で毛並みがよくなったという声が聞かれます」。値段は30分コースで2100円。人間用もあり、酸素セラピー40分 と全身マッサージ15分がセットで5250円。犬と同時に受ける飼い主も多い。
また都内では、肥満や高齢で足腰が弱くなった犬を水中で運動させるというフィットネスを取り入れている店もある。今、なぜ健康ブームなのか。
犬、猫のマッサージを広めている日本ペットマッサージ協会の事務局長・宮澤雅之さんは、
「ペットの寿命が長くなり、人間のように生活習慣病になるケースが増えています。そのため、自然に近い治癒法が見直されているのです。今後も『癒し』『ストレス』を掲げた商品やサービスが増えるでしょう」
と話している。
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