2008年09月22日(月) 11時31分

５歳女児変死　母、泣き崩れ保育所に連絡（毎日新聞）

　千葉県東金市東上宿（ひがしかみじゅく）の路上で２１日、同市田間の看護師、成田多恵子さん（３７）の次女、幸満（ゆきまろ）ちゃん（５）が心肺停止状態で見つかった死体遺棄事件。亡くなった幸満ちゃんは、０４年４月から東金市立第一保育所に通っていた。保育所は２２日朝、通常通りに開園。会見した新井枝里子所長（５６）は「保護者に確認の連絡をしている最中に、ニュースで幸満ちゃんが亡くなったという受け入れ難い真実を知った」と唇をかんだ。２１日深夜に母多恵子さん（３７）から電話があり「ご迷惑をおかけして済みません」と何度も繰り返し、泣き崩れたという。

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　新井所長は「（幸満ちゃんは）明るくてしっかりした子。先週の金曜日に、私が売り子役になって子供たちとパン屋さんごっこをしました。その時に私に『パンおいしかったよ。ありがとう』と声を掛けてくれた。それが最後の言葉になるとは思ってもみなかった」と涙をぬぐった。

　幸満ちゃんは猫の絵が描かれたピンクの水筒とクマの絵入りの黄色いかばんをさげて、毎朝、元気に保育所に通っていたという。新井所長は「安心して子供が遊べる場所がどんどんなくなっていく。罪のない、けなげな子供たちの命をどうして……」と声を詰まらせた。２２日午後に保護者会を開き、事件の経過を説明するという。

　また保育所の子供たちの様子について新井所長は「事件のことを報道で知り、子供たちは動揺している。私の姿をテレビのニュースで見て『どうしたの？』『ゆきちゃんいなくなっちゃったの？』と声を掛けてくる。落ち着いて遊べない状況です」と話した。

　幸満ちゃんと同じクラスに次女（６）を通わせている母親（３５）は「半年ほど前、現場近くのリサイクル店のトイレで、小学生の女の子が見知らぬ男に連れ込まれたという話を聞いた。それ以来、子供をなるべく１人で外に出さないようにしていた。犯人には言葉にできない怒りを感じる」と声を震わせた。

　幸満ちゃんと次男（４）が同じクラスという父親（３７）も「幸満ちゃんは片付けの時に『自分でやった方がいいよ』と他の園児に声を掛けるようなしっかりした面倒見のいい子だった」と沈痛な面持ちで話した。【斎藤有香、駒木智一、吉村建二】

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