2008年09月19日(金) 07時05分
衆院長崎2区 福田氏出馬表明 各陣営に波紋 自民は困惑、警戒 社民は共闘に含み(西日本新聞)
薬害肝炎九州訴訟のシンボル的存在である福田衣里子氏(27)が18日、次期衆院選長崎2区に民主党からの立候補を表明したことで、同選挙区の構図がほぼ固まった。立候補予定の各陣営や県内各政党は、総選挙に向けて緊張感を高めている。
現職として福田氏を迎え撃つ自民党の久間章生元防衛相(67)の陣営は「どのような方が立候補しようと正々堂々と戦う」と強調。久間氏は現在、党や内閣の主要ポストに就いていないこともあり、頻繁に地元入りしてミニ集会などを繰り返し、地盤固めを急いでいる。
出馬を表明している無所属新人で諫早市議の相浦喜代子氏(44)は「有権者の選択肢が増えることはいいこと。生活者の生の声を国会に伝え、憲法九条を世界の九条にすべく頑張りたい」。3月から選挙区内で街頭演説などを繰り返している無所属新人の会社員山崎寿郎氏(28)は「20代の立候補者が2人もいるのは全国でもまれで注目される。自分は一人一人に訴える草の根型の選挙で挑みたい」と気を引き締めた。
一方、自民党県連は福田氏を有力な対抗馬と位置付けて警戒。昨年の参院選では自民公認候補が落選しているだけに、末吉光徳幹事長は「重鎮の久間さんが負けるようなことがあれば、長崎自民の衰退が象徴的になる」と危機感を募らせる。
公明党県本部の江口健幹事長は「福田さんはよく出馬を決意した」と評価する一方「自公連立の中で戦っていくのが基本」と語り、政権交代を目指す民主党への対抗心を燃やす。
共産党は選挙区候補の擁立を見送ったこともあり「とやかく言う立場にない。比例区への影響も考えていない」(西村貴恵子県委員会書記長)と冷静に対応。同選挙区での候補擁立を断念した社民党県連合の吉村庄二幹事長は「どうしても候補を出したかった」と悔しさをにじませながらも「大きな考えでは与野党逆転を目指すことには変わりない」と民主党との選挙協力に含みを残した。
=2008/09/19付 西日本新聞朝刊=
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