先週開催された新興企業向けカンファレンスのDemoFall、TechCrunch50には、120社以上が参加した。
このようなカンファレンスにはよくあることだが、製品の多くは、派生的、あるいは1年のうちに当たり前になるクールな新機能と表現するのがせいぜいのものだった。しかし、中には、独自のテクノロジ、すなわち際だった思想を示していた企業もいくつか存在した。
米CNETでは、2つのイベントを精力的に取材した。そして、取材後、メモを比較して、2つのカンファレンスからトップ製品、すなわち革新性、消費者のニーズ、ビジネスモデルから、ほかの製品とは違うと思われる製品を選出した。CNET Best of Showsに選ばれた製品10種は以下の通り。
「Fitbit」着用できる小型の活動モニター兼歩数計。データをウェブに送信して、活動を追跡し、友だちと励まし合うことができる。FitbitはTechCrunch50のトップ製品の次点だった。
気に入った理由:「この製品を買うことは、金銭上の決定というよりもIQテストだ」とするJosh Kopelman氏と同意見だ。
成功の可能性:高い。Fitbitには、すばらしいアイデア、すばらしい設計、すばらしいオンラインコンポーネントがある。そして、人々はFitbitのようなものを必要としている。
参加:TechCrunch50
「Fotonauts」美しい、配慮の行き届いた写真共有サイト。写真版Wikipedia、あるいはよりモダンなFlickrに例えられる。
気に入った理由:これまでオンラインで利用してきたよりも優れた共有、管理ツールであり、表示制御とソーシャル性とのバランスがとれている。
成功の可能性:かなりある。最高経営責任者(CEO)にはしっかりとした経験があり(NeXTおよびAppleのアプリケーション部門の前最高技術責任者)、開発コストはさほど高くない。急成長する可能性はかなりある。
参加:TechCrunch50
「GoodGuide」健康的な製品、環境に優しい製品、人道的に配慮した製品を購入するためのオンラインガイド。
気に入った理由:魅力的でシンプルなインターフェースですばらしい製品データが表示されている。そして、タイミングもぴったりだ。人々はこのような情報を欲しがっている。
成功の可能性:非常にある。便利でやみつきになりそうだ。すばらしいビジネスモデルを持っている(サイトには、製品の購入先のリンクが組み込まれている)。
参加:TechCrunch50
「Hangout」優れた3Dインターフェース、健全な利益モデルを持つ、10代の若者をターゲットにしたソーシャルネットワーク/仮想世界。
気に入った理由:技術的には妥当に見える。利益モデルは、オンライン世界で主要で新たな利益要素になりつつあるプロダクトプレイスメントに重点が置かれている。
成功の可能性:不明。技術的にはすばらしい仮想世界だが、見せつけるようなものは何もない。成功の鍵は、ソーシャルモデルを正しく設定できるか、いずれ友だちをシステムに引き込むことになるコアなアルファ住民を獲得できるかどうかにかかっている。私たちはまだ製品を試していない。
参加:TechCrunch50
「Mapflow's Avego」GPSを搭載した「iPhone」を使って、車に乗っている人と車に同乗させてもらおうとする人をマッチングする。しかし、ヒッチハイクのような匿名性はない。車に乗ったり乗せたりする前に、サイトに登録する必要がある。
気に入った理由:非常に環境に優しい。1人で車に乗るという絶え間なく無駄な行為に効率性をもたらしてくれる。
成功の可能性:必要不可欠な人数が集まるまで機能しないため、さほど高くはない。人数の確保は解決が難しい問題だ。
参加:Demo
「Plastic Logic」電子ブックの新しいテクノロジ。ガラス製のスクリーンが必要な現在の電子ブックと違い、すべてプラスチックだ。これにより、コストが下がり、耐久性が高まる。
気に入った理由:電子ブックを書籍に近づけるものは成功を収めると思う。
成功の可能性:CEOがJeff Bezos氏の電話番号を知っていれば、十分ある。
参加:Demo
「RealDVD」ようやく登場した、ムービーDVDをコンピュータにリッピングできる合法的な製品。制限回数を超えたコピーを防ぐDRMが組み込まれている。
気に入った理由:必要だから。既存のソリューションは普通の人には複雑すぎる。
成功の可能性:中くらい。RealDVDは50ドルのソフトウェアアプリケーションだが、競合する製品は無料で提供されている。そのうえ、コピーされたDVDを別のデバイスで再生するには、20ドルかかる点も痛い。
参加:Demo
「Swype」タッピングの代わりに、指やスタイラスを画面キーボードでドラッグして入力できる、タッチスクリーン機器のテクノロジ。デモを参照してほしい。SwypeはTechCrunch50のトップ製品の次点だった。
気に入った理由:試したところ、とても良かった。また、発明者は、25億台の携帯電話にT9入力方法を導入した人物だ。
成功の可能性:中くらい。ビジネスモデルは、このテクノロジを広範囲にライセンス供与することだ。対象にできる市場は巨大で、英数字入力を採用しているすべてのタッチスクリーン、ホームエンターテイメント機器がターゲットになる。しかし、非独占的な契約を得るのは難しいだろう。
参加:TechCrunch50
「VideoSurf」人を識別できる画期的なビデオ検索エンジン。
気に入った理由:インターネットではビデオコンテンツが急増しており、タグ、タイトル、キャプションを検索するだけではないビデオ用の「Google」が必要だ。VideoSurfは実際にファイルに入り込んで顔を認識する。
成功の可能性:不明。今のところはデモウェアだ。まだ試していないが、宣伝通りに機能するのであれば、稼げる可能性が非常に高い。
参加:TechCrunch50
「Yammer」ビジネス向けの「Twitter」。質問は、「今、何しているの?」ではなく、「今、どんな仕事をしているの?」だ。YammerはTechCrunch50カンファレンスで最優秀賞を獲得した。
気に入った理由:SocialCastと同様、時代にぴったりなテクノロジだと思う。労働者はプライベートでこのようなツールに慣れ親しみつつあり、この製品が問う質問への答えは、仕事をしている人たちの役に立つだろう。
成功の可能性:中くらい。この市場に参入する際の障壁は低く、テクノロジの構築は難しくない。このようなソーシャルテクノロジのビジネス世界への移行は必然だ。(CNET Japan)
参加:TechCrunch50
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