2008年09月16日(火) 21時45分
AIG経営難でアクセス殺到 アリコジャパン「支払い心配ない」(J-CASTニュース)
米保険最大手のAIGに経営危機が表面化し、日本支社の各生保・損保に問い合わせが相次いでいる。アリコジャパンのホームページには、アクセスが殺到し、つながらない状態になった。アリコでは、「日本支社は、支払い余力の基準を満たしており、ご心配には及びません」と説明している。
■「今は、お客さまへの対応で手いっぱい」
がん保険などで知られ、収入では業界5位になる日本初の外資系生命保険会社のアリコジャパン。そのホームページが、AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の経営危機が報じられた2008年9月15日ぐらいからつながりにくくなっている。16日午後には、
「アクセスが集中し、サーバにつながりにくい状態となっております」
との表示が表れるようになった。
経営危機は、米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破たんした「流血の日曜日」が引き金になった。同じようにサブプライム問題にかかわっていたAIGが、投資会社との融資交渉に失敗し、米ニューヨーク・タイムズ紙が、格下げされて資本を引き揚げられた場合、2〜3日しか存続できない可能性があるとも報じたのだ。
AIGでは、FRB(連邦準備制度理事会)に400億ドルものつなぎ融資を要請。しかし、当局は受け付けず、株価は6割も下落して、格付会社が次々に格下げしている。これに対し、グループ会社から200億ドルの融資が可能となり、FRBも金融機関に700〜750億ドルの融資を求めるなど、打開策が模索されている。
日本支社では、アリコやAIGスター生命保険、AIGエジソン生命保険の生保3社、AIU保険会社、アメリカンホーム保険会社の損保2社がある。外資では、最大級の規模だ。5社を取りまとめているAIGホールディングスの広報室では、J-CASTニュースの取材に対し、保険契約者らから問い合わせが相次いでいることを明らかにした。
「ニュースをご覧になって、『どうなっているんですか』と聞いてこられる場合が多いです。私どもは、『財務内容は基本的に問題ありません』と説明しています。日本の各保険会社が、サブプライム案件の資産運用などに関連していることはないからです」
■破たんでも保護制度の適用
グループ全体で約2万6000人いる日本での従業員については、広報室では、「会社との話し合いがあるとは、まだ聞いていません。今は、お客さまへの対応で手いっぱいだと思います」と話している。
日本の保険会社では、契約者保護のため、保険業法に基づいて設立されている生保、損保の契約者保護機構に出資している。AIGグループ各社も例外ではない。
金融庁保険課によると、保険会社が破たんした場合、この制度により破たん時は保険契約の9割まで保証される。ただ、他の保険会社と再契約した後は、利回りが下がって元金の増やし方が減ることで支払いが9割を下回る可能性はあるという。
保護制度はあるが、AIG各社は契約者にどのように対応しているのか。
アリコジャパンでは、
「万一、破たんがあったとしても大丈夫なのか」
「保険金は従来通り支払われるのか」
といった問い合わせがある程度来ているという。これに対し、同社では、
「日本支社の決算を見ましても、支払い余力の基準を満たしており、ご心配には及びません」
「もし破たんすることがあっても、保護制度の適用を受けます」
と説明しているとしている。契約者へのきちんとした説明を何らかの形でするため準備しており、できるだけ早くまとまった形でする予定だ。
一方、収入で業界8位、外資系損害保険会社ではトップのAIU保険会社では、
「お問い合わせは、様々な部署で受けており、誠実に対応しています。今後は、その内容を吟味して、どんな媒体でお客さまにきちんと説明したらよいか検討していきたい」
と話している。
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