8月に100歳を迎えた広島市南区の無職田辺君子さんが、手芸作品展を集めた初の個展を安佐南区図書館で開いている。レース編みや手まりなど約150点の力作が、半生を物語る。28日まで。
5センチほどの和紙人形の帯に結び目を作ったり、布で作った着物に裏地を付けたりと、細かな手作業。もともと器用だった手先は衰えを知らず、同居する次女の満寿子さん(65)が「今でも針に糸を難なく通す」と驚くほどだ。
手芸を始めたのは58歳になってから。夫を原爆で亡くし、1人で4人の子どもを養わなければならなかった。農家の手伝いや工事現場の作業などいろいろな仕事をこなした。子どもも独立し余裕ができてきたため、「楽しそうだから」と、作品づくりを始めた。知人の紹介などがあり、図書館での作品展が実現した。
【写真説明】「これからも新しい作品を作っていきたい」と話す田辺さん