石川県白山市鶴来桑島町の桑島神社で13日夜、男が秋祭り前夜祭の打ち上げをしていた会場に車で突っ込み、住民が車にはねられたり、かまで切りつけられたりして男性1人が死亡、6人が重軽傷を負った事件で、県警は14日、鶴来署に捜査本部を設置。殺人未遂で現行犯逮捕した金沢市法光寺町の露天商新井敏明容疑者(42)が「祭り関係者にからかわれた」と供述しているため、明確な殺意を持って祭り関係者を狙ったとみて動機などを追及している。
死亡した同市部入道町、建設業手伝い岡田陽平さん(30)の死因は車にはねられたことによる出血性ショックと判明。けがをした6人とともに、いずれも祭りを主催した実行委員会の関係者だった。
新井容疑者は暴力団員を名乗っており、捜査本部は14日、新井容疑者宅や関係するとみられる暴力団事務所など6カ所を家宅捜索した。新井容疑者は素直に調べに応じているという。
調べでは、新井容疑者は13日午後10時20分ごろ、住民十数人が前夜祭の打ち上げをしていたテントに突っ込み、岡田さんらをはねた後「殺してやる」と叫びながら、約5分間、関係者を追いかけ回し、刃体12センチのかまで切りつけた。
凶器のかまは車内で見つかった。鶴来署員が駆けつけた時には車のそばに立っており、抵抗しなかった。酒は飲んでいなかったが、捜査本部は今後、薬物の使用の有無を調べる。
(中日新聞)