【ウィーン15日共同】国連安全保障理事会の制裁決議に反し、ウラン濃縮活動を継続するイランの核問題で、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は15日、イランの過去の核兵器開発疑惑に関する調査が「遺憾ながら本質的に進展していない」としてあらためて「重大な懸念」を示すとともに、イランの濃縮活動拡大を確認した報告書をIAEA理事会(日米など35カ国)に配布した。
安保理の常任理事国5カ国とドイツは、濃縮活動停止の場合の新たな「包括的見返り案」をイランに提示するなどしているが、イランは応じる構えを見せず、交渉入りすらできない状況。
イランは核兵器開発疑惑を否定しているが、今回の報告書はイランがIAEAの求める情報を提供していないと指摘。IAEAに近い当局者は「(調査は)行き詰まっている」と述べた。