【バンコク14日共同】タイのソムチャイ首相代行は14日、首都バンコクの非常事態宣言を解除した。反タクシン元首相派の市民団体「民主市民連合」が首相府を占拠し、その後の市民同士の衝突で死傷者が出たことから、サマック前首相が2日に非常事態を宣言。首相代行は記者会見で「暴力行為は収まった」と解除の理由を説明した。
非常事態宣言で5人を超える集会が禁止されたが、市民連合は首相府占拠を継続。流血の事態を懸念した軍部は参加者の強制排除に乗り出さず、宣言は事実上効力を持たない状態だった。観光客減少を招くなど経済への打撃にもなり、アヌポン陸軍司令官のほか財界も早期解除を求めていた。
タイ政府観光庁によると、8月26日の首相府占拠以降、外国人旅行者は2割以上減少。タイ渡航に注意を呼び掛ける国も相次ぎ、「非常事態宣言が観光国のイメージ悪化に拍車を掛けている」と指摘されていた。