1981年の米ロサンゼルス銃撃事件で、米自治領サイパンの地裁は12日、逮捕され拘置中の元会社社長・三浦和義容疑者(61)=日本では無罪確定=側が申し立てた人身保護請求を棄却し、ロサンゼルスに身柄を移送するよう自治領政府に命令した。弁護側は決定を不服として最高裁に上訴した。
ロサンゼルスの司法当局は早急に今後の対応を協議するとみられ、三浦元社長の身柄移送の司法手続きが近く動き出す可能性が出てきた。サイパンのある検察官は、近日中の移送を示唆した。
サイパンのマングロナ判事は「カリフォルニア州から移送を求められており、引き渡し請求書などに法的な問題がない限り、速やかに移送させるのが妥当だ」とし、「一事不再理の原則違反や、逮捕状の有効性については判断できない」と棄却の理由について述べた。
弁護側は判決が確定した事件で、再び罪に問われない「一事不再理」の原則に反するとして釈放を要求していた。
三浦元社長は2月の逮捕以来、サイパンのススペ地区の収容地区に拘置中。関係者によると、1か月前に施設内の別の部屋に移動したが、手紙のやり取りなどの行動が制限され、冷房が利きすぎて持病の腰痛が悪化するなど、待遇に不満を漏らしているという。
ロサンゼルス郡地検は26日(日本時間27日)に、弁護側の逮捕状取り消し請求に対する決定を言い渡す予定。移送が決まれば、48時間以内に罪状認否がされ、予備審理など本格的な刑事手続きが開始される。
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