2008年09月13日(土) 08時00分
【Re:社会部】解決を阻む「無関心」(産経新聞)
事件取材を担当していると被害者や遺族と接する機会が多くあります。犯人逮捕で動機が明らかとなり、苦しむ遺族もいますが、「なぜ殺されたのか」。理由が分からない未解決事件の遺族の苦しみは切実です。加えて未解決事件の遺族の前には、公訴時効という壁もたちはだかります。
理由が分からないいらだちを抱えたまま年月だけが経過。そして時効を迎えると犯人さえも捜されなくなるという心理的圧迫は想像を絶するものだそうです。こうした遺族がわらにもすがる思いで待ち望んでいるのが情報提供です。
ただ、この情報提供が年々、「得られにくくなっている」と警視庁幹部は嘆きます。面倒なことを嫌い、他人とのかかわり合いを避ける風潮が、積極的な情報提供を避けさせているといわれています。
ある未解決事件では、推定120人の目撃者のうち名乗り出たのはたった9人でした。この遺族は「社会的無関心に殺されたようなもの」と話しています。
時効まで3年を切った東京・柴又の上智大生殺害事件も、寄せられた情報は12年で約700件。その件数は年々減っています。「一見、無関係と思われるものでも、どんな情報でもほしい」。遺族は必死に訴えています。(充)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080913-00000090-san-soci