11日午後1時20分ごろ、愛知県一宮市で行われていた「第51回オールスター競輪」(一宮競輪場)の第7レースで、日本競輪選手会栃木支部所属の内田慶選手(27)が落車、頭部などを強打し死亡した。死因は外傷性くも膜下出血。頭蓋(ずがい)骨や目の下、鼻の奥を骨折していた。
内田選手はゴールまで残り約150メートルのところでほかの選手と接触。転倒しバンクに叩きつけられた。市内の病院に運ばれたが、すでに脈はなく自発呼吸ができない心肺停止状態。まもなく死亡が確認された。
事故を聞き病院に駆けつけた亜矢子夫人(26)は「最近は落車もなくなってきていたのに…。結婚してまだ2年目、何不自由ない生活だった」と号泣した。
内田選手は1981年、東京・中央区生まれ。作新学院高を卒業後、日本競輪学校に入学。2002年8月にデビューし、現在は最高峰のS級1班に在籍。昨年は賞金約2600万円を獲得している。04年のアジア自転車選手権では、4000メートル個人追い抜きで優勝するなど、競輪、競技の両方で将来を期待されていた。
日本競輪選手会常務理事は今回の事故に「残念のひと言に尽きる。最悪の事態になってしまったが、二度とこんな悲劇が起こらないように、選手も集中して競走に臨んでもらいたい」と話した。
◆競輪、レース中の死亡例 最近では2003年1月3日、伊東競輪で服部雅春さん(享年46歳)がゴール後、落車。心不全のため、亡くなっている。特別競輪(G1)は1967年に2件、落車による頭蓋骨骨折で死亡事故が発生した。
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