長野県松本市の私立松本第一高校(山崎泰校長)の柔道部で、2年生男子が先輩部員らから口に汚物の付いた綿棒を入れられるなどのいじめを受け、8月に転校していたことが11日、分かった。
学校側によると、いじめがあったのは今年6月ごろ。柔道部の監督を務める津金武寿教諭が、松本市内の自宅横に建てた寮内で起きた。
3年生男子ら部員3人を含む4人は、2年生男子の体を押さえつけて拘束。別の生徒の肛門(こうもん)に入れた数本の綿棒を口に無理やり押し込んだ。この生徒は、入学当初からからかいの対象になっていたという。
ふさぎこむ様子を見た生徒の母親が7月に学校側へ報告し転校を申し出た。3年生部員らは「悪ふざけでやった」と事実関係を認め、生徒宅を訪れ謝罪したという。
この種のいじめは柔道部の“伝統”だったとみられ、過去には上級生が下級生の肛門に異物を押し込んだりするケースも。今回、いじめをした3年生部員には夏休み中に約10日間、登校させ約1時間の指導と反省文を書かせる“処分”が下された。
また別の下級生に対しても、同様の行為があったというが「(その下級生は)気にせず、元気に練習している」(山崎校長)という。
同校は1960年創立の共学校。柔道部は83年に創部となり、監督は当時から津金教諭が務めている。県大会では28回の優勝を誇る強豪。部員は30人で寮では18人が生活していた。監督と部員が寮で一緒に生活する様子を撮影したドキュメント番組が地元テレビ局で放送されたこともある。
津金監督は、いじめのあった寮を廃止する意向を持っているが、学校側と協議して決める見通し。山崎校長は「部員との面談を増やし再発防止に努める」と話している。
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