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2008年09月12日(金) 08時34分

三井住友銀、不正融資100億円焦げ付き 行員にリベートか産経新聞

 三井住友銀行が東京都内の不動産会社の紹介で六十数社に融資した170億円のうち、100億円程度が回収不能になる見通しであることが11日、分かった。不動産会社の元幹部社員は産経新聞の取材に、担当した行員3人が融資先の一部がペーパーカンパニーと認識し、うち2人にはリベートが渡っていたと証言。三井住友側はリベートの授受を否定しているが、行員がクルーザーへの乗船など接待を受けていたことは認めている。行員が不正融資に関与した可能性が高いことから、警視庁では不動産会社の元社員から事情を聴くなど、巨額融資の経緯について捜査を始めた。

■表で見る■ コシ社をめぐる三井住友銀行の融資の流れ

 焦げ付きが発生しているのは都内の高円寺法人営業部と新宿法人営業2部、神奈川県の鶴見法人営業部。融資は高円寺法人営業部と取引があった不動産会社「コシ・トラスト」の紹介で平成15年11月ごろから始まり、約3年間で60社以上に実行された。

 融資を受けた企業のうち約20社はペーパーカンパニーで、コシ社が設立。コシ社の取締役には17年9月から19年3月まで、暴力団関係者が就任していた。

 元社員ら関係者によると、高円寺法人営業部の行員はコシ社社長に「融資する会社の業種は偏らないようにしてほしい」と、ペーパーカンパニーの設立にあたって注文をつけていた。

 一方、コシ社社長は元社員ら複数の関係者に「クルーザーに乗せたり、旅行に連れて行ったりして行員を抱き込んでいる」「行員には融資金額の約1・5%をバックしている」などと話していた。融資をめぐるリベートは、コシ社の通帳に行員の頭文字を鉛筆で書き入れて管理していたという。

 三井住友銀行は18年秋ごろから回収を始めた。融資した資金はコシ社の運転資金などに回されていたとみられる。コシ社は現在、事務所を閉鎖し、休眠状態になっている。

 三井住友銀行広報部のコメント 「警察に相談済みでもあり、詳細なコメントは差し控えるが、担当行員が便益(クルーザーへの乗船など)を受けていた点については、公私の峻別(しゅんべつ)を定めた銀行の内規に照らし遺憾な事態であり、処分を検討中。しかし、現時点においても、担当行員の詐欺的行為への積極的関与や現金受領の事実は確認されていない」

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