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2008年09月12日(金) 11時37分

汚染米は港で排除、輸出国に返品…農水省方針読売新聞

 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が工業用の「事故米」を食用に転用していた問題を受け、農林水産省は、輸入時にカビ毒や基準値を超える残留農薬が検出された場合は、原則的に事故米として流通させない方針を固めた。

 同省によると、政府が関税・貿易一般協定(ガット)のウルグアイ・ラウンド合意に沿って輸入している「ミニマム・アクセス(MA)米」は港の検疫所で検査が行われている。検査でカビ毒や基準値以上の農薬が検出された場合、〈1〉廃棄〈2〉輸出国に返品〈3〉工業用に使う「事故米」として輸入−−という対応が取られていた。ただ、廃棄と返品については、検疫所が商社に指示するだけで、実際にどういう処分がされたか国は実態を把握していない。

 事故米として工業用に輸入された場合は、国内で売却後に、加工業者からの連絡で、各地の農政事務所が加工現場に立ち会い、チェックする仕組みだった。

 ところが、三笠フーズの問題では、農林水産省が2003年度以降、計96回もの立ち入り調査を行いながら、不正を見抜けなかった。このため、今後は検疫で汚染が確認されれば、原則、輸出国に返送させる方針に転換した。同省では、輸出国への返送にかかる経費をどうするかなど、細部の詰めを急いでいる。

 MA米を国内に輸入後、国が保管中にカビが発生するなどした事故米についても流通制度の見直しを検討する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000020-yom-soci