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2008年09月11日(木) 08時48分

天下り法人“超優遇” 随意契約 受注数、額に差クッキリ産経新聞

 中央官庁や出先機関と随意契約を結んでいる公益法人の8割に省庁OBが在籍しており、在籍していない法人と比べ、1法人当たりの契約件数は約4倍、契約額は約8倍に上ることが10日、会計検査院の調べで分かった。
 OB天下りの受け皿となる公益法人に、各省庁がコスト高になりがちな随意契約で業務を発注し、税金の無駄遣いにつながっている実態が、改めて浮き彫りになった。
 検査院によると、平成19年4月時点の公益法人数は6723。このうち17・0%の1141法人が、省庁などと随意契約を結んでいた。1141法人の中で所管省庁のOBがいるのは78・6%に当たる897法人で、9196人が在籍し、その3割の3246人が役員に就任している。
 18年度の契約では、OBが在籍していない公益法人は、1法人当たりの契約件数が2・3件、契約額は4700万円だった。これに対し、OBが在籍する場合、件数は9件、契約額は3億6600万円で、天下りの受け入れが、受注に影響することを、数字が示した格好だ。
 随意契約先の公益法人への天下りが最も多かったのは国土交通省の3377人。厚生労働省(1920人)▽法務省(865人)▽農林水産省(790人)−が続いた。防衛省、警察庁などは契約先に必ずOBが在籍していた。
 所管する公益法人のうち、随意契約を結んでいた法人数の比率は、環境省(47・3%)▽防衛省(45・5%)▽内閣府(34・1%)−の順だった。
 19年の国の随意契約は前年比で件数は7・0ポイント、支払金額で4・2ポイント減少した。競争契約は前年より増えているが、応札が1社だけで事実上の無競争となっている競争契約が26・1%を占め、前年より9・3ポイント増えた。
 こうした1社応札の競争契約は応募要件が受注経験があるなどの厳しい条件を課されたケースが多かった。随意契約の平均落札率は98・1%で競争契約より12・4ポイント高かった。
 検査院は「実質的な競争性が確保されていない状態が続いている。各省庁はOBがいる公益法人と随意契約を結ぶ場合、説明責任を果たす必要がある」としている。

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