米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が農薬やカビ毒で汚染された事故米を転売していた問題で、農林水産省は11日、基準値を超える農薬メタミドホスに汚染された中国産もち米が、東京の給食大手「日清医療食品」に転売されていたと発表した。
日清医療食品によると、このコメは同社近畿支店を通し近畿2府4県の病院や高齢者福祉施設119か所に少なくとも704キロ納入され、大半が既に消費されたという。
加工原料以外で、汚染されたもち米が食用に消費されたことが初めて判明。消費量は今後さらに膨らむとみられる。これまでに健康被害は確認されていない。
大阪府や同社などによると、問題のコメは三笠フーズが販売し、福岡県の食糧加工会社など複数の仲介業者を通して大阪府の業務用食品卸会社がことし5—8月、約700キロを購入。5—9月に全量がこの会社から日清医療食品に卸された。
日清医療食品は、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山各府県の病院や高齢者施設119か所で給食を提供していたが、8日夜になって仕入れ先の食品卸会社から「コメを使わないでくれ。代替品を用意する」と電話があった。保健所からは「メタミドホスに汚染している可能性がある」と連絡を受けたという。
約700キロのうち、堺市の高齢者施設4か所にはもち米23キロが納入され、市が調査した結果、赤飯などにしてすべて消費されたことが判明。滋賀県でも10か所に43キロが流通し、うち42キロが消費されていたことが分かった。
大阪市では、病院と高齢者施設の計13施設に伝票上は72キロが納入されているが、市がこれまでに確認できた在庫は6・45キロだけ。日清医療食品は、すぐに使う分だけを注文、購入しており、ほとんどが消費されたとみている。
各府県などは11日、施設への立ち入りや聞き取り調査を進め、事実関係の確認を急いでいる。
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