老舗菓子メーカー、東京☆月堂(東京都中央区)の元契約社員の女性(22)が、上司の男性店長(34)から性体験人数を聞かれるなど、継続してセクハラや暴言を受けたとして、慰謝料など約650万円の賠償を求めた訴訟で、東京高裁は10日、請求を棄却した1審判決を変更、約170万円を支払うよう東京☆月堂に命じた。
3月の東京地裁判決は店長の発言について「職場における雑談や軽口」と違法性を否定したが、東京高裁の宮崎公男裁判長は「女性の人格をおとしめ、性的に辱める違法な言動」と指摘した。
さらに会社による店長の監督が不十分だったことを認め「性的な言動で職場環境が害されるのは珍しいことではなかったとうかがわれる」と社内の状況を非難した。
判決によると、女性は2005年4月に採用され、埼玉県草加市の店舗に勤務。店長から勤務中や懇親の場でたびたびセクハラや暴言を受け、翌年7月から出勤を拒み、今年3月に退社した。
(注)☆は風のカンムリの中が百