2008年09月09日(火) 02時47分
【事故米不正転売】農水省が三笠フーズを売却先として住友商事に紹介(産経新聞)
大阪市北区の米粉加工会社「三笠フーズ」による事故米転売問題で、政府発注のミニマム・アクセス(最低輸入量)米として輸入したタイ米の一部にカビが生えたため、事故米145トンを国から買い戻した住友商事(東京都中央区)に対し、農水省が売却先として三笠フーズを紹介していたことが8日、わかった。農水省は全国の農政事務所で事故米の入札がある度に三笠フーズ側に連絡しており、流通実態を確認しないまま事故米の「大口得意先」として扱っていた同省の対応が問われそうだ。
また、三笠フーズが熊本県や鹿児島県の酒造メーカーに販売した殺虫剤アセタミプリドに汚染されたベトナム米は、大手商社の双日(東京都港区)が約600トンを購入した一部が食用として不正転売されたことも、同省の調査で判明。三笠フーズが国から直接購入した事故米1779トン以外に商社から購入した事故米は計740トンに上り、汚染米の流通量がさらに膨らむ恐れも出てきた。
住友商事によると、同社は平成17年8月、関税・貿易一般協定(ガット)のウルグアイ・ラウンド合意に基づき一定量の輸入が求められているミニマム・アクセス米として、タイ米7000トンを輸入。このうち145トンが船便で運ぶ際に雨に濡れてカビが生えたため同省から買い取った。
その後、農水省が9月ごろ、住友商事に売却先として三笠フーズを紹介。同社の九州工場がタイ米が荷揚げされた沖縄県に近く、大量の米を工業用のりの原料に加工できる処理能力の高さが理由だったという。
一方、双日はアセタミプリドに汚染されたベトナム米を国から買い取り、19年8月に工業用として九州の米穀卸会社に売却、さらに三笠フーズに転売された。一部が同社から食用と偽り、福岡、鹿児島、熊本の焼酎メーカーに転売されたという。
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