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2008年09月08日(月) 01時45分

「パンダはいつ来るの?」 上野動物園の入園者激減J-CASTニュース

 パンダがいなくなった上野動物園で、入園者が激減している。子供に人気があるパンダ不在の影響は否定できない。それに最近の不況が追い打ちをかけるが、四川大地震のせいもあり、パンダがいつ来るかは未だ不明のままだ。

■300万人の大台を割る可能性

  「パンダが見たいです」「次はいつ来るんでしょうか」

都立上野動物園には、最近こうした問い合わせが増えているという。

 中国の胡錦濤国家主席が2008年5月6日、日本への貸し出しを表明したときは、批判の声が相次いだ。年1億円ともされるペアのレンタル料が高過ぎるといったものだ。しかし、同園の教育普及係では、「最近は(批判も)あまりない」といい、風向きに変化も見られるようだ。

 東京動物園協会によると、上野動物園の08年度の入園者数は、8月までに約127万5000人。なんと前年同期より2割強も減ったというのだ。このまま推移すると、1949年度に入園者300万人を突破してから初めて、大台を割る可能性が指摘されている。

 上野で最後のパンダのリンリンが死んだのが4月30日。とすると、パンダがいなくなった影響が出たということなのか。

 同園の教育普及係では、「はっきりしたデータはありませんが、影響がないとは言い切れません」とその可能性を示唆する。「パンダはいつ来るのか」という声は、いないから行かないとも受け止められる。

 一方で、全国的にも、08年度は動物園の入園者数が減っている。千葉市動物園でも2割減少したほか、ユニークな展示で上野に次ぐ人気の北海道・旭山動物園でも1割減っている。不況やガソリン高、夏休み期間中などの天気の悪さなどが理由で、パンダの影響ばかりではないようだ。

■消極的だった石原知事はどうする

 ただ、旭山動物園の08年度入園者数は、8月までに約152万人。上野動物園を上回る勢いとなっており、このままでは、上野が年間入園者数で日本一の座を譲り渡しかねない。そんな中で、パンダが動物園に客足を呼び戻す可能性はありそうだ。

 ところが、パンダ貸し出しには、不透明な要素が多い。

 まず、中国で5月に起きた四川大地震の影響だ。外務省中国・モンゴル課では、「パンダの生息地が打撃を受けており、そのせいで貸し出しが遅れています」と明かす。まだ、具体的に交渉も始められない状況だという。都の動物園担当者も、「再び地震が起きて、四川省のパンダ保護研究センターが壊滅的なダメージを受け、パンダを近隣の施設に移して飼育環境を整えるのに努力しているそうです。そんな中で、積極的に話し合いをしてもどうなのかなと思っています」と話す。

 また、パンダ借り入れに努めた「親中派」の福田康夫首相が辞める影響もありうる。小泉純一郎首相のときのように新首相下で関係が悪化すれば、中国がパンダの貸し出しを渋るかもしれない。

 さらに、都の石原慎太郎知事が、パンダ借り入れに消極的になっている。都の担当者は、「現在も明確な判断をいただいていません」と話しており、貸与時期などの見通しがまったく立たない状態だ。

 リンリンがいたパンダ舎の部屋には、6月10日からレッサーパンダ2匹が暮らしている。入り口には、パンダの飼育史を書いた張り紙が掲げてあるというが、このままジャイアントパンダが姿を消してしまうのだろうか。


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