2008年09月08日(月) 12時00分
ホンダの新ハイブリッド戦略:プリウスに価格で対抗する『インサイト』(1)(WIRED VISION)
本田技研工業(ホンダ)がついに、世界で最も安価なハイブリッド車を披露した。[この記事では、この新しいハイブリッド車『インサイト』のほか、『CR-Z』なども含め、同社のハイブリッド戦略について紹介する。]
新しいインサイトは5人乗りで価格は1万9000ドル。同社がかつて生産していた『インサイト』の名称を復活させることになる。環境志向の人々がこぞって選ぶ車、というのがホンダの狙いだが、外見は現在その座にある車とよく似ている。
ホンダがインサイトを正式に発表するのは、10月に行なわれる『パリモーターショー』だ。しかし、9月4日(日本時間)に公開された写真を見る限り、トヨタ自動車の『プリウス』にそっくりと言い切ってもいいだろう。
確かに車体の前部は、間違いなく、ホンダが環境戦略の主力に据える燃料電池車『FCXクラリティ(日本語版記事)』の影響を受けている。しかし、全体の形に関しては疑う余地がない。
厳密に言えば、写真のインサイトは、パリモーターショーで発表されるものと同じく、コンセプトモデルにすぎない。しかし、ホンダは2009年の4月22日、つまりアースデイに合わせて、インサイトをショールームに置く計画を立てている。間違いなく、生産ラインに乗るモデルに大きな違いはないだろう。ヘッドライトとホイールくらいは変わるかもしれないが、全体の形はこのままのはずだ。
[原文記事では、新型インサイトとプリウスの写真を並べ、読者に対して「新型インサイトはプリウスに似ているか」という投票を募っている。9月8日段階の投票結果では、「プリウスに似ている」が54%、「新しいデザイン」が45%]
ホンダは、米国に初めてハイブリッド車をもたらした。つまり、独創的な2人乗りのインサイトだ。しかしこのインサイトも、後に発売された『シビックハイブリッド』も、ほとんど人々の関心を呼ばず、彼らはプリウスに群らがった。ホンダのハイブリッド車をすべて合わせても、プリウスの4分の1しか売れていない。
同社はこの差を縮める最善策として、ハイブリッド車の燃費だけでなく価格でも勝負することに決めた。[新型ハイブリッドは約1万9000ドルだが、リンクされている記事によると、プリウスのベース価格は2万1500ドル。ハイブリッド車の売上げは自動車市場全体の3%以下であり、ホンダは価格を劇的に下げることがハイブリッド拡大の鍵と見ているという]
「初代のインサイトは米国におけるハイブリッド技術の開拓者であり、現在も、技術革新や燃費向上に対して本田が傾ける努力のシンボルだ」とホンダの福井威夫取締役社長は言う。「この新しいインサイトは、優れた燃費と高い価値を求める人々が気軽に購入できるハイブリッド車として、新境地を開くものだ」
インサイトは『シビック』より少し小さいと言われている。完全な新デザインで、初代インサイトの生産が2006年に中止されて以降、ホンダにとっては初めてのハイブリッド専用車だ。
[過去記事「『プリウス』一人勝ちの理由」では、米国でのハイブリッド販売がプリウス以外は不振だが、その理由はプリウスのデザインにあるという意見を紹介している]
「ホンダの新ハイブリッド戦略:スポーティーな『CR-Z』など(2)」へ続く
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