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2008年09月08日(月) 22時54分

パラリンピック 土田、接触転倒し途中棄権 陸上女子五千毎日新聞

 【北京・飯山太郎】北京パラリンピックは第3日の8日、国家体育場などで行われ、日本勢のこの日のメダル獲得者はなかった。陸上女子五千メートル(車いす)で前回アテネ大会を制した土田和歌子(東京)はレース終盤に転倒して途中棄権。レースはいったん成立したが、転倒者が多かったことなどから審判団は12日にレースをやり直すことを決めた。

 男子四百メートル(車いす)予選では、前回大会銀メダリストでタイ出身の安岡チョーク(福岡)が決勝に進めなかった。北京五輪出場を目指して話題となった両脚が義足のランナー、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)は男子百メートル予選で11秒16の大会タイ記録で9日の決勝に進んだ。

 競泳女子五十メートル背泳ぎ(運動機能障害)ではアテネ大会競泳7冠の成田真由美(神奈川)が5位。柔道(視覚障害)男子81キロ級の大我健侍(おおが・けんじ)=石川=は3位決定戦で敗れた。自転車の男子タンデム千メートルタイムトライアル(視覚障害)決勝は大城竜之(東京)高橋仁(千葉)組が5位。ボッチャの個人(脳性まひ)で内田恵三(兵庫)は、準々決勝で敗れた。

 車いすテニス男子シングルス1回戦では、昨年史上初の年間グランドスラム(4大大会全制覇)を達成した国枝慎吾(千葉)が、英国選手に6−1、6−0で快勝。女子の八筬(やおさ)美恵(千葉)は中国選手に敗れた。

 ◇転倒の土田…12日の再レースもマラソンも出場微妙

 陸上女子長距離2冠を狙った土田の挑戦は思わぬ形で再レースになった。レース中盤からは3番手につけ、スパートを仕掛けるタイミングを狙っていた。だが、残り500メートル過ぎでアクシデントが起きた。

 ラスト1周を前に、より良い位置を押さえようと各選手が加速した直線で、前方の接触に巻き込まれて転倒。さらに後続選手には体に乗られた。アテネの五千メートルでは、転倒しながら優勝した土田だったが、完走した全選手がゴールしても起きあがれず、ただ一人担架で運ばれてトラックを去った。

 最終的に出場11人中ゴールできたのは5人だけ。無言で目を見開き、病院に向かう救急車に乗り込んだ土田。大会の医療スタッフは「骨折の心配はない」と説明したが、陸上チームの小山良隆コーチは「腰付近の体幹部に痛みがあると言っている。今後のことは分からない」。レースから約2時間40分後、大会組織委は、今回のレースを無効にし、12日午前に再レースを行うと発表した。しかし、今回土田が負った傷の具合次第では、12日の再レースだけでなく、最終日(17日)にあるマラソンへの出場も微妙になってきた。【飯山太郎】

 ○…車いすテニス男子シングルスで、世界ランク1位の国枝が貫録を見せた。英国選手相手に1セットを奪われただけで危なげなく初戦を突破。試合中、隣接するセンターコートからは中国選手を応援する大歓声が聞こえたが、この試合は2回戦の国枝の相手を決める一戦。中国選手が敗れたため実現しなかったが、国枝からは「相手に対してではあっても、中国勢と大観衆の中で対戦してみたかった」と、余裕の発言も聞かれた。今大会はダブルスとの2冠を目標にしており「自分のテニスをすれば実現できる」と自信たっぷりだった。 

 【ことば】ボッチャ(Boccia) イタリア語で「ボール」の意味。男女混合で個人(1対1)、ペア(2対2)、チーム(3対3)の3種目があり「ジャック」と呼ばれる白い的球に向け赤、青に分かれてそれぞれ6球ずつのボールを交互に投げ合い、的球にいかに近づけるかを競う。最終的に最も的球に近づけた方がエンドの勝者で、得点は的球から、敗者が投じた中で最も近かったボールまでの距離を半径とした円内にある勝者のボール数で決まる。個人とペアは4エンド(ペアは1人3球)、チームは6エンド(1人2球)で競う。パラリンピックでは84年大会から実施され、日本は今大会で初めて選手を派遣した。

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