2008年09月07日(日) 08時01分
【Re:社会部】空疎な言葉(産経新聞)
1年前、「私の手で拉致問題を解決したい」と訴えた福田康夫首相。突然の辞意に、被害者の家族は、拉致問題がまた政治の動きに翻弄(ほんろう)されるのではないかと危機感を強めています。
かつて、家族らの反対を押し切って実施された北朝鮮へのコメ支援など、家族は、時々の政権で変わる方針に何度も悔しい思いをしました。今回の辞任表明もそうです。被害者に関する「調査委員会」設置を見送る北朝鮮の口実とされてしまい、家族からは憤りの声が上がりました。
年内の解散・総選挙も取りざたされ、家族会代表の飯塚繁雄さん(70)は「拉致問題がどこかへ飛んでいってしまい、また振り出しに戻ってしまう」と訴えます。家族会が最近実施した国会議員アンケートの回答率は42.7%で、同種調査では最低。議員の意識低下にも心配が募ります。
「政府の方針は変わらない」。福田首相が中山恭子拉致問題担当相に話したとされる言葉が、家族に伝えられました。ですが、辞任表明の会見では拉致問題に触れずじまいでした。
「どうして拉致問題はいつも肝心なときに別の方向に動いてしまうのか。大事な局面を大切にしてほしい」。横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(72)の声に耳を傾けるとき、政治家の言葉が空疎に聞こえるのは私だけでしょうか。(亨)
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