2008年09月04日(木) 03時05分
富山の冤罪被害者、賠償請求へ…国と県に慰謝料求める(読売新聞)
富山県氷見市で2002年に起きた婦女暴行・同未遂の冤罪(えんざい)事件被害者で元タクシー運転手の柳原浩さん(41)が、「違法に公権力を行使して逮捕、起訴した」として国と県に慰謝料数千万円を求める国家賠償請求訴訟を、今月下旬にも起こすことを決めた。
07年の再審公判で、当時の取調官の証人尋問などが認められなかったことから、柳原さんは「再度、証人尋問を申請し、なぜ誤認逮捕されたかを明らかにしたい」と話している。
柳原さんは02年4月15日、富山県警に婦女暴行未遂容疑で誤認逮捕された。弁護団によると、被害者の女性は「(犯人の)顔を見たのが一瞬だったので、はっきり分からない」と供述していた。
しかし、県警は、柳原さんの逮捕後に「(犯人に)よく似ている」とする供述を誘導、犯人性の検討を怠ったとしている。
さらに、〈1〉現場に残された靴跡が柳原さんの足の大きさと著しく違うにもかかわらず照合しなかった〈2〉取調官が長時間、威圧的に取り調べて自白を強要した−−ことなどが違法な捜査に当たるとした。富山地検については、柳原さんが犯人でないと知りうる証拠を把握しながら違法に拘置、起訴したと主張する。
弁護団は当初、国選弁護人、実刑判決を出した富山地裁高岡支部にも責任があるとしたが、県警と地検に絞って責任を問う方針に切り替えた。柳原さんは2年9か月にわたって身柄を拘束され、07年10月に地裁高岡支部の再審で無罪が確定した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080903-00000069-yom-soci