2008年09月02日(火) 12時00分
優勝するともらえる「トロフィー」の由来(R25)
サッカーワールドカップやヨットのアメリカス杯といった世界的な大会のみならず、社内のゴルフコンペやボウリング大会といったごく身近なイベントでも授与されることの多いトロフィー。でもこのトロフィー、そもそも発祥はいつごろなのでしょうか?
古代ギリシア史の専門家である澤田典子静岡大学准教授によれば、トロフィーの語源は古代ギリシアの戦勝記念碑「tropaion(トロパイオン)」から来ているのだそうです。
「『tropaion』は、戦勝直後に敵が敗走を始めた地点に木の柱や切り株を立て、敵から奪った武具を吊るす簡素なタイプと、戦闘後しばらくたってから勝者側のポリス(都市)の広場や神域などに青銅や大理石製のモニュメントを建てるタイプがあります。前者の場合は、その周りで祝勝歌を歌うのが慣わしだったそうです。後者では、ペルシア戦争(BC492〜BC449)での勝利を記念して、各ポリスが共同でデルフォイに奉納したモニュメントの一部である青銅製の『蛇の柱』(現在は、トルコのイスタンブールに存在)などが有名ですね」
その後、ヘレニズム時代(BC338〜BC30)やローマ帝国時代に入ると、後者の戦勝記念碑タイプが盛んに製作され、さらに巨大化していったそうです。特にダキア戦争(101〜106)でのローマ側・トラヤヌス帝の勝利を記念したトラヤヌス記念柱などは、大理石製で、高さ38mにも達するとか。
ところが、さらに時代が下ると、今度は逆に徐々に小型・携帯化。カップや楯とともに、中世ヨーロッパにおいては勲章的な役割を果たしはじめます。そして欧米のスポーツ大会などの優勝記念用に転用されるようになったのは19世紀後半のこと。
ちなみに、トロフィーや楯、メダルの制作会社である立川徽章さんによれば、最近は、父の日や母の日にトロフィーをプレゼントする人も少なくないとか。どうやら時を越えて、また新たな利用方法がここ極東に生まれつつあるようです。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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