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2008年09月02日(火) 12時00分

全世界で新ルールが導入ラグビー観戦どう変わる?R25

より攻撃的な打線が組まれることを目的に、パ・リーグで1975年からDH(指名打者)制度が導入されたように、スポーツのルールは、しばしば恣意的に変更される。ラグビーも例外ではない。国際ラグビーボード(IRB)の通達により、8月1日から1年間、全世界で13項目の試験的ルールが実施される。それにともない、今季のラグビーはすべて、このルールで行われることになる(※主な変更点は表組参照 ※R25.jpでは表が掲載されています)。

ルール変更を言い出したのは、プロ化の最先端を走るNZ、豪州、南アの南半球勢。背景には、テレビの放映権料に財政基盤を置く、これら世界最強3カ国の強い主張がある。視聴率を上げるためにゲームの高速化を図り、トライが量産される“面白いゲーム”を目指そうというのだ。実際に、どういうゲーム展開が“面白いラグビー”か。イングランドを中心に保守的な北半球と革新的な南半球の間で本質論が戦わされ、結論が出なかったから「1年間の試験的導入」という制限がついたのだが、観客は本質論より変更による面白さを享受すべきだろう。

例えば、スクラムでは防御側の立つ位置が従来より5m下げられたことで、攻撃側のスペースが広がった。逃げのキックを減らすために、タッチキックに制限が課された。こうしたルール変更によって、今季は見て楽しいトライシーンが増える可能性が高いのだから。ファン心理は、ルール変更でどのチームが有利になるかも気になるが、これは単純にスクラムの強いチームが有利になると考えるのが、一番わかりやすい。スクラムで相手を押し込んでコントロールできれば、攻守で優位に立てるからだ。

今季のトップリーグは、昨年度の日本選手権決勝の再現となる三洋電機ワイルドナイツ対サントリーサンゴリアス戦で、9月5日に開幕する。ゲームの高速化、攻撃側有利を目指したルール改正の下でも、ラグビーはラグビー。しっかりとしたスタイルを持って、自分たちのラグビーを貫くチームに勝利の女神は微笑むだろう。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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