2008年09月02日(火) 13時09分
山奥で実感、ドコモのインフラ力(オーマイニュース)
「やっぱ『犬』だよね。『きのこ』はダメだよ。私も『犬』に変えたいけど、家族が『きのこ』派なんだよね」
これだけ読むと何のことかわからないかもしれないが、携帯電話についての会話である。ソフトバンクの犬のおとうさん、ドコモのドコモだけ。
20代半ばと見られる女性が、CMキャラクターを使って、会話していたのだ。
毎月の契約者純増数しかり、iPhoneしかり。最近はソフトバンクのニュースがよく流れる。iPhoneの売り上げ数は止まったとの報道もあるが、今最も勢いのある携帯電話会社なのは間違いない。
上記会話からわかるように、若者の人気ナンバーワンはソフトバンクなのだろう。
そんな私は「きのこ派」である。選んだ理由は大した意味はなく、iアプリ開発の仕事を始めた時に携帯を買った。それだけだ。その後も、iアプリに関わることが多かったため、そのまま7年以上続けている。どうしてもドコモでなければならない理由は1つもなかった。
そんなソフトバンクに押されているドコモだが、面白いことがあった。
先日、旅行で茨城県美和村に行った。かなり山奥である。先に出かけた方の情報によると、携帯の電波が入らないらしい。実際、現地では、多くの人が電波を探して、右往左往している。ところが、自分の携帯はアンテナ2本立っていた。右往左往していたのは、みんなソフトバンクユーザーだった。
「ドコモ、さすがだな」と思ったのは言うまでもない。たまにおかしなところで圏外になることもあるが、最もキャリアが長いだけあって、インフラはしっかりしているようである。
その旅行の前に、イーモバイルの携帯を買った。主にモデムとして利用するためだ。静岡県湖西市の実家に行ったとき、新幹線の中で通信が切れることはなかったが、トンネルに入ると、即圏外になった。東京でも地下鉄の駅では、電波は入りにくいようだ。
実家自体は鉄道に近いせいかイーモバイルは問題なく使用できたが、埼玉県内で少し鉄道から離れた場所では、あっさり圏外となってしまった。ここはホームページの人口カバー率のマップでは圏内のはずだが、新規参入企業としてのムラを感じた。
東京に住んでいると、地下を除き、「携帯電話がつながらない」といったことはほとんどない。そのため、インフラを意識することはほとんどない。これだけ生活に密着したツールになった以上、つながらない場所は、ある意味恐怖だ。
ドコモはらくらくフォンをやめて、月額使用料が無料で、通話料、端末代のみの携帯電話と料金プランを出せば、2台目、3台目の携帯として相当需要があるのではないか。
ドコモが今1歩苦戦している理由のひとつは、料金の高さにある。今までシェア50%以上を持っていたわけであり、その企業が値下げ戦争を開始することは他の会社を倒産に追い込むことになる。
実際にやっていたら、総務省あたりから苦情がきていただろう。そのため後発にならざる得なかったのはないだろうか? 正直ユーザーとしては迷惑な話だが、通信会社が1社になったら……と思うと、それも仕方がないことである。
ソフトバンクのゴールドプランから始まった値下げ合戦も、そろそろ限界だろう。そのため、iPhoneやブラックベリーなどのスマートフォンなど機能で勝負の時代に入ってきたようだが、ドコモには、「どこまで繋がるか」といった部分も前面に出して競っていって欲しい。インフラほど重要なものはないが、最近はつい忘れてしまう。
繋がってこそケータイである。
(記者:山口大介)
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