2008年08月31日(日) 19時23分
大健闘の韓国、金メダルの価値は日本より上?(産経新聞)
北京オリンピックで史上最多の金メダル13個、メダル獲得数では7位と大健闘した韓国。韓国の金メダリストたちの“金”の価値は一体おいくら? 報奨金の額や韓国ならでは特典などを調べてみた。
メダルに対する韓国の報奨金は、選手が所属する企業や協会によって千差万別。まず韓国オリンピック委員会と文化体育観光省による報奨金は、金メダルが5000万ウォン(約500万円)、銀メダルは2500万ウォン(約250万円)、銅メダルは1500万ウォン(約150万円)だ。
ちなみに日本オリンピック委員会(JOC)の報奨金は金メダルが300万円、銀メダルが200万円、銅メダルが100万円と、韓国の方がやや高くなっている。
政府が支給する報奨金以外に、選手のスポンサー企業や所属する協会なども報奨金を出しているが、金額はそれぞれ違う。北京五輪の金メダリストの中で最も“稼いだ”韓国選手は男子競泳自由形400メートルで金メダルを獲得した朴泰桓選手だ。
韓国では「マリン・ボーイ」と呼ばれ、高校を卒業して間もない18歳の大学生という初々しさやさわやかなイメージで人気も高く、スポンサーも複数。スポンサーの出す報奨金は、韓国最大手の携帯会社「SKテレコム」から1億ウォン、韓国の飲料メーカー「ロッテ七星」から5000万ウォンのほか、英国の水着メーカー「スピード」と韓国水泳連盟からもそれぞれ1億ウォンずつ。金メダル1つで計3億5000万ウォンの報奨金となる。
さらに、二百メートル自由形で獲得した銀メダルで「SKテレコム」から5000万ウォン、「ロッテ七星」から3000万ウォンの報奨金が支給され、ほかの諸々の激励金なども合わせると、両メダルで獲得した金額は6億ウォンを軽く超えた。
今後、朴選手が出演するコマーシャルで少なくとも4億−5億ウォンを稼ぐとみられ、2個のメダルで10億ウォン以上を手にすることになる。
柔道で初めて韓国に金メダルをもたらした柔道60キロ級の崔敏浩選手の場合、所属する韓国馬事会からボーナスが2億ウォンのほか、韓国柔道協会からの報奨金など合わせて4億ウォンに近い金額になる。
韓国選手では唯一、世界新記録を打ち立てて金メダルを獲得した重量挙げ女子75キロ超級の張美蘭選手の報奨金はほかの選手に比べて少なく、合わせて2億ウォン程度という。素晴らしい成績を残したのに、“怪力女性”の人気は韓国では今ひとつのようだ。
一方、メダリストの男子の場合は、兵役も事実上免除される。北京五輪でメダルを獲得した男子選手で、まだ兵役を終えていない22人がその対象者となった。彼らは3年間、それぞれの種目の選手またはコーチとして従事すれば、兵役の代わりとみなされる。
世界中のつわ者たちが集まるオリンピックでメダルを獲得するまでに、並々ならぬトレーニングやさまざまな犠牲が払われていることを考えれば、報奨金は気前よく出して欲しいもの。メダル獲得数で韓国に負けて8位だった日本。報奨金でも韓国に負けていたのだ。(ソウル 水沼啓子)
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