2008年08月29日(金) 17時45分
三井・元大阪高検公安部長の実刑確定へ 最高裁が上告棄却決定(産経新聞)
捜査情報を漏らす見返りに元暴力団組員から接待を受けたなどとして、収賄や公務員職権乱用などの罪に問われた元大阪高検公安部長、三井環被告(64)=懲戒免職=の上告審で、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は、三井被告側の上告を棄却する決定をした。決定は27日付。三井被告を懲役1年8月、追徴金22万2837円の実刑とした1、2審判決が確定する。
三井被告は、検察庁の調査活動費(調活費)の不正流用疑惑を実名で告発する準備を進めており、大阪地検特捜部に逮捕された平成14年4月22日は、テレビ番組の収録が予定されていた。
三井被告側は「逮捕は検察の口封じ」と主張。その上で「検察の組織犯罪の隠蔽(いんぺい)を直視せずに、三井被告の軽微な嫌疑をあげつらった2審大阪高裁判決は不当」として、判決の破棄を求めていた。
これに対し、第2小法廷は「上告理由には当たらない」とした。決定は3人の裁判官の全員一致。古田佑紀裁判官(検察官出身)は審理を回避した。
2審判決は、三井被告が高知、高松両地検の次席検事として体験した限度で調活費の一部の不正流用があったことを認定。さらに、「検察当局は、三井被告が不正流用を体験に基づいて語ることになれば、信頼を失墜させることになりなねないと憂慮していたことが推認できる」とした。
その一方、2審判決は「このような事実があったからといって、逮捕が違法になったり、起訴が無効になったりするものではない」と判断していた。
1、2審判決によると、三井被告は大阪高検公安部長だった13年、暴力団関係者の情報収集に便宜を図ってもらいたいとの趣旨と知りながら、元暴力団組員から、神戸市や大阪市の高級クラブで約15万円相当の接待を受けたほか、大阪市内のホテルで約7万円相当の女性の接待を受けるなどした。
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