2008年08月27日(水) 11時29分
アフガン拉致 捜索再開 拉致グループの一部拘束か(毎日新聞)
アフガニスタン東部ジャララバードで26日、日本の非政府組織「ペシャワール会」(福岡市)の伊藤和也さん(31)が拉致された事件で、地元警察当局などは27日朝から、犯行グループが逃げ込んだとみられる山間部の捜索を再開した。一方、拉致グループの一部は26日に拘束された模様で、地元警察は伊藤さんの行方や犯行の動機などについて追及する。
反政府武装勢力「タリバン」の報道官は毎日新聞に対し、同勢力による犯行と主張。現地では地元武装勢力がタリバンと連携を保って活動しており、伊藤さんを拉致したのは、タリバンに関連する武装グループとの見方が出ている。
ペシャワール会の福元満治事務局長(60)は27日午前、福岡市で会見し「26日から新しい情報は入っていない」と述べた。
同会が、26日夜までに現地スタッフから得た情報によると、伊藤さんを拉致した武装グループは、地元軍閥に山に追い詰められた。その際に伊藤さんとともに拉致されていたアフガン人運転手は逃げ出し、保護された。武装グループ4人のうち2人も拘束されたという。
しかし残る武装グループ2人と伊藤さんの行方はわからず、伊藤さんは山に置き去りにされたとの情報や、武装グループに連れ去られたとの情報もあるなど、錯綜(さくそう)している。
アフガンでは有力一族がそれぞれ私兵グループを抱えており、軍閥とは氏族の自警団に近い存在とみられる。
一方、現地スタッフによると、武装グループが27日朝に伊藤さんの身柄を引き渡すとの情報があり、軍閥が指定された場所へ向かうという。福元事務局長はこの情報について「確証はない」としている。
伊藤さんの安否を巡っては、情報が混乱した状態が続いている。26日夜、アフガン政府当局からカブールの日本大使館に「伊藤さんが解放された」との連絡があり、日本の外務省はペシャワール会などに対し「解放情報」を伝えた。ところが約1時間後にアフガン側から「解放は誤報」と連絡が入り、山本一太副外相が「解放は誤りだった」と訂正会見する一幕があった。
カブールの日本大使館からは27日午後、外務省職員がジャララバード入りし、情報収集に当たる。【斎藤良太、ニューデリー栗田慎一】
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