2008年08月26日(火) 19時21分
【共犯尋問（１２）完】「口裏合わせ」証言に笑み浮かべる満井被告 緒方被告は無表情（産経新聞）
《検察側は林正彦裁判長に「あとどのくらいかかりますか」と聞かれ、「１時間程度」と返答。林裁判長は「それでは５時半までやりましょう」と言い、河江被告への尋問が再開。検察官は朝鮮総連中央本部の土地・建物の所有権が移転された直後の平成１９年６月１２日の場面について質問する》
検察官「６月１２日に（航空ベンチャー会社社長の）Ａさんには会いました？」
河江証人「会っていません」
検察官「Ａさんはお金を出すとか、躊躇（ちゅうちょ）しているということは言ってないですよね」
河江証人「はい」
検察官「（この日）緒方被告は総連側になんと言っていました」
河江証人「『今晩また私がＡさんとやりとりする。今晩いっぱい待ってほしい』と言っていました」
検察官「それだけ？」
河江証人「『（Ａさんは）海外からの送金を終わらせている』ということも付け加えていました」
検察官「それは事実ではないですよね」
河江証人「はい」
検察官「うそをついたということ？」
河江証人「はい」
《首を捻って腕を組み、口を真一文字に堅く結ぶ緒方被告》
検察官「なぜうそをついたと思います」
河江証人「その時点でもＡさんからの投資が確定していないので、そう言わざるを得なかったのでは」
検察官「言い逃れということ？」
河江証人「はい」
検察官「６月１３日夜、高島屋日本橋店の特別食堂に行きましたね」
河江証人「はい。私と満井さんは別のところで食事して、先に緒方先生らがいて合流しました」
検察官「そこで緒方被告はなんと言っていましたか」
河江証人「今日、会見を開いてきた。マスコミに騒がれたので投資家の方が躊躇していると言っていました」
検察官「そんな投資家はいないんですよね」
河江証人「はい」
検察官「緒方被告も承知していた？」
河江証人「Ａさんの約束はないということは報告していましたので」
検察官「緒方被告は投資家は複数いると言っていましたか」
河江証人「複数いると言ってました」
検察官「会見の説明は事実ですか」
河江証人「いいえ」
検察官「なぜ緒方被告は満井被告にそのようなうそを話したと思います」
河江証人「統一認識として持っておくためでしょう」
検察官「統一認識とは？」
河江証人「口裏合わせです」
《驚いたように満井被告は傍聴席を見て笑う、その後、あごに手を当て河江被告を睨む。緒方被告は無表情だった》
検察官「緒方被告は競売についてなんか言ってましたか」
河江証人「騒ぎになった物件なので、応札はでないだろうと言っていました」
検察官「満井被告は」
河江証人「『でっこない』と同調していました」
検察官「それに対して緒方被告は？」
河江証人「そうなったら売買価格が下がると言っていました」
検察官「どういう意味？」
河江証人「買う側は安く買えるという意味です」
検察官「満井被告は緒方被告に、報酬についてなにか言ってました」
河江証人「何も言ってません。私が離席した間に何か話したかもしれないが分かりません」
検察官「（緒方被告と満井被告が）『韓国人のような名前をだし、その人との取引の関係のお金を医療電子科学研究所に入金したということにしましょう』と言っていたと供述調書にあるが」
河江証人「話してません」
検察官「なぜ言ったことになってるのですか」
河江証人「あなたは現金詐欺で逮捕されていないのだから、検察官に協力しなさいと言われ、協力しないといけないと思ったからです」
検察官「○○（韓国人名）という人を知っていますか」
河江証人「知りません」
検察官「高島屋の食堂で○○という名前は出てきませんでした」
河江証人「いいえ」
検察官「聞いたことないので覚えていないのでは」
河江証人「そんなことないと思います」
《「そろそろ時間です」と林裁判長に言われ、この日の尋問は終了。弁護側は「同じことを繰り返し聞いている。これで我々の時間が短くなるのでは困る」と裁判長に公平な裁判運営を求めた。河江被告は背筋を伸ばして裁判長に深く頭を下げて退席した。次回公判は９月１日、検察側の河江被告への証人尋問の続きが行われる》
＝完
【関連記事】
・
【共犯尋問ライブ全詳報（１）〜】
・
満井被告支配の会社社員 満井被告から緒方被告への１億円の流れ証言
・
【総連事件】地上げ内情知る商社社長が証人出廷 動機の解明なるか
・
総連事件 「投資家見つかるかは分からないと念押し」 弁護士証言
・
「破産知っていれば取り引きしなかった」総連幹部が告白
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000961-san-soci