2008年08月26日(火) 16時51分

【共犯尋問（４）】「２００億円の投資家いる」　河江被告が総連側に大嘘（産経新聞）

　《「いいものを見せてあげましょう」と満井忠男被告から３億円を見せられた河江被告。この３億円は、検察側が緒方、満井両被告が朝鮮総連から詐取したとする被害金の一部だ。尋問の内容は、その３億円を満井被告が手に入れた経緯に移る》

　検察官「満井被告は（その３億円を朝鮮総連から）どうやって受け取ったものだと説明しましたか」
　河江証人「北朝鮮の案件なので、まずは投資家と交渉をする場面を作るためにも、資金が必要だと言って出してもらったと聞きました」

　検察官「うーん。もっと詳しい説明は聞いてないのですか」
　河江証人「聞いていません」

　《河江被告から思ったような証言が引き出せなかったためか、検察側は諭すように話しかける》

　検察官「証人。あなたは捜査段階ではなんと言っていましたか」
　河江証人「捜査段階の調書では『（満井被告の運用する）ファンドの解約のための違約金が必要だった』という説明になっていると思います」

　《「なっていると思う」という曖昧な表現。検察側は追及する》

　検察官「では、あなたは検察官になんと話したのでしょうか」
　河江証人「検察官に『あなたは現金詐欺のほうでは逮捕されていないのだから、この部分は協力してもらうぞ』と言われ、私としては協力しなければいけないのだと思いこみ、サインしてしまいました」

　《河江被告は捜査段階の供述を一転、否定。検察側にとっては厳しい展開になる。検察側は質問を変えた》

　検察官「あなたの報酬の話にもなりましたね」
　河江証人「『１億円ぐらいを考えている。投資家探しは重要なので、それぐらいの価値がある』という趣旨で言ってくれました」

　検察官「投資家が見つからなかった場合には？」
　河江証人「見つけるという折衝をしていることが大事。前さばきの現金の中から出すので取りっぱぐれはないということでした」

　《続いて、昨年４月１８日に朝鮮総連側の代理人だった土屋公献元日弁連会長の事務所で起きたことへと話題は移る》

　検察官「その場には誰がいましたか」
　河江証人「土屋弁護士と趙委員、満井さんです」

　検察官「土屋弁護士と趙委員とは初対面ですね」
　河江証人「はい」

　検察官「満井被告は土屋弁護士に、証人をなんと紹介しましたか」
　河江証人「『いま私のもとで投資家を束ねているファンドマネジャーをしている河江です』と紹介されました」

　検察官「ほかには？」
　河江証人「『今回の件ですでに交渉を進めている人です』と」

　検察官「資金について、満井被告はなんと言いましたか？　すぐにでも用意ができると言ったのではないですか」
　河江証人「はい。『すでに資金を用意してもらっているので大丈夫です』というようなことを言っていました」

　検察官「それに対してあなたはなんと？」
　河江証人「『都心で２００億円ぐらいの投資をしている投資家がいて、すでに話をしている』と言いました」

　検察官「それは実在する人なのですか」
　河江証人「実在は…します。以前つきあいのあった大手薬品販売会社グループの方を想定しまして、あくまで『想定』ですが」

　検察官「実際に話は？」
　河江証人「相談はしましたが、資金を出すとは言っていません」

　検察官「なぜ２００億円という説明を？」
　河江証人「事前に満井さんに、その薬品販売会社のことを話したところ、『じゃあ、それを想定して話をして下さい』ということになりまして」

　検察官「それで想定を？」
　河江証人「それに満井さんからは『言い切って下さい』とも言われていましたので、『話を進めている』と言いました」

　検察官「土屋弁護士や趙委員は、２００億円といううその説明についてなんと？」
　河江証人「『そんな方ならすぐに契約してください』『来週中に契約を進めてください』と言われ、土屋先生の空いている日など、翌週のスケジュールを教えられました」

　検察官「それであなたは何を？」
　河江証人「スケジュールを手帳に書き入れました」

　検察官「売買決済の方法についての話にはなりましたか」
　河江証人「預手（預金小切手）で頼むという話でした」

　検察官「なぜ？」
　河江証人「そのままＲＣＣ（整理回収機構）に持って行くからと」

　検察官「手帳に書きましたか」
　河江証人「はい。預手と書いたかと」

　検察官「締結見込みは？」
　河江証人「ありません」

　検察官「この時点で予定していた投資家はいましたか」
　河江証人「いませんでした」
＝（５）に続く

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