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2008年08月26日(火) 21時17分

<アフガニスタン>安否情報に不安…解放に母泣き崩れ 実家毎日新聞

 静岡県掛川市杉谷にある伊藤和也さんの実家では、父親の正之さん(60)と母親の順子さん(55)が、あいまいな安否情報に不安を募らせたが、夜になって「無事解放」の連絡が外務省から入ると、順子さんは「ありがたい」と泣き崩れ、正之さんは「よかった」と安堵した様子を見せた。

 両親によると、和也さんは県立磐田農業高を卒業後、県立農林短期大学校(現・県立農林大学校)園芸科に進み、97年3月に卒業。会社勤めを経て、03年の暮れにアフガニスタンに向かった。

 両親にアフガン行きを告げたのは出発の約2週間前。この年の11月にイラクで在英日本大使館の奥克彦参事官(当時)ら2人が殺害される事件が起きた直後だったため両親は引き留めたが、「アフガンで農業をしたい。力になりたい」と熱く語ったという。正之さんは「こういう事態も少し予想したが、意志が強かったので行かせた。一生懸命な気持ちで行ったと思う」と語った。

 和也さんは中学卒業以来、海外で農業を指導することを夢みてきた。高校時代には農業を学ぶため、米カリフォルニアに1カ月間短期留学。卒業後にも1年間カリフォルニアにホームステイした。どちらも自分で行き先を探してきたという。

 アフガンに行ってからは、1年に1回ほどは帰国したが、両親が最後に連絡した約3カ月前には「今年は忙しくて帰れないが、周囲はいい人ばかり。心配しないで」と不安な様子はなかったという。【平林由梨、大西量】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000142-mai-soci