2008年08月25日(月) 09時06分
Google と Verizon がモバイル検索で近々提携へ(japan.internet.com)
検索大手の Google と米国通信事業大手の Verizon Communications が、広範囲にわたる提携を間もなく結ぶ模様で、その結果 Google は、Verizon のあらゆる端末の既定検索プロバイダとなる。この件は、事情に詳しい筋の話として Wall Street Journal が報じたものだ。
この提携は、Verizon が自前のモバイル検索エンジンを Google のものに置き換え、オールインワン型のサービスを作成して、ユーザーが同一のインターフェースで Web アクセスや着信音アプリケーションなどを利用できるようにし、両社で広告売上を分け合うという形になる模様だ。
Wall Street Journal によると、Verizon のユーザーが実行した検索に関して、Google がどの程度の情報にアクセスできるのかについて、両社はまだ合意に至っていないという。Google にとって詳細な検索履歴は、広告ターゲット化の精度を高める上で役立つが、通信事業者らは契約ユーザーのデータを社外に出したがらない。
この数年、モバイル広告の爆発的普及が間近に迫っているとの見解をアナリストたちは示してきたが、まだ飛躍的な進展には至っていない。その原因の一部は、接続速度の遅さ、貧弱なインターフェース、そして通信事業者各社が自社ネットワークをコンテンツ プロバイダやサービス プロバイダに開放したがらない、といった状況にある。
この最後の点こそが、Google と Verizon の間にある一部の摩擦の根源になっている。米連邦通信委員会 (FCC) が昨年、700MHz 無線周波数帯競売のための規則を作成した際、Verizon Communications と Vodafone の合弁会社 Verizon Wireless は、落札した企業が自社ネットワークをあらゆる種類のソフトウェアおよび端末に開放する義務を負うと定めた、いわゆるオープンアクセス条件を無効化しようと、法的手段に訴えた。
FCC は譲らず、その競売に関しては、入札価格が一定の下限価格に到達することを条件に、オープンアクセス規則が残った。Google が参加したことも影響し、該当の競売は下限価格を上回ったため、入札対象だった周波数帯のほぼ半分を落札した Verizon は、オープンアクセス条件により、アクセスを求める全ての向きに対して自社ネットワークの開放を強いられることになった。
Verizon は、サードパーティの端末やアプリケーションに対する自社ネットワーク開放を自発的に始めると示唆し、さらには近々登場する Google 主導の『Android』プラットフォームもサポートする予定だと述べた。一方 Google は競札後、FCC に対して Verizon にオープンアクセス条件を確実に守らせるよう請願書を提出していた。
Google にとって今回の提携は、莫大な機会があると同社が見込んでいる市場へ、大きく踏み出すものとなるだろう。加入者数でいえば、Verizon は米国第2位の移動体通信事業者で、株式市場では、まだ憶測に過ぎない提携を早くも好感する動きが一部に出ている。
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入札対象だった周波数帯のほぼ半分を落札
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