2008年08月22日(金) 13時30分
「これって医療ミス!?」と思ったらどうすればいいの?(R25)
先日、家族が胃の細胞を一部摘出する胃ガン検査を受けた直後、大量吐血して緊急入院する事態が発生。これって「医療ミス」では? 疑念を抱きつつ医師の説明を聞くと、「原因は特定できない」とか…。どうも納得できないけど、こんなとき患者側は誰に相談すればいいのか。医療被害問題を扱う「医療問題弁護団」の大森夏織弁護士に聞いてみた。
「全国で発生している医療事故は死亡案件だけで年間約2万件超という試算がありますが、事故原因の分析や調査をするシステムは、医療機関でも行政レベルでも、まだまだ整っていません。一部の自律的な医療機関と、患者側弁護士がその役目を担っている程度なのが現状です」
そもそも、どういうケースが「医療ミス」にあたるんでしょうか?
「医療事故は起きてはならないことですが、現在の医療では避け得ない不慮の事故も存在します。そこで重要なのが、その事故が予測・回避不能なものだったのか、それとも医療従事者の過失によるものかを判断すること。一般的に“医療ミス(医療過誤)”と呼ばれるのは後者のケースです」
その判断はどうやってするんですか?
「調査依頼を受けた弁護士は、病院からカルテを集めて診療過程を明らかにし、同分野で実績のある第三者の医師などに協力を仰いで、事故原因の分析を行います。その結果、病院側に過失が認められれば損害賠償などの責任を追及します。逆に過失がないことが判明するケースも当然あります」
深刻な問題とはいえ、調査まで頼んで過失がなかったら、気まずいですねえ。
「医師と患者が信頼関係を失うことは、医療行為の大きな障害になります。それを防ぐためにも、まずは主治医にハッキリした原因分析と説明を要求することです。それでも納得できなかったら、弁護士などの第三者に相談するのがよいと思いますよ」
医療が高度化された現代だからこそ、医師の言葉に少しでも疑問があれば、臆さずに聞くことが大切なのかも。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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