2008年08月21日(木) 08時01分
三菱電機、冷蔵庫値上げ 3〜5% 物価高の波、耐久財に(産経新聞)
原材料価格の高騰が食料品や日用品にとどまらず、エアコンや冷蔵庫などの耐久消費財にも波及し始めた。三菱電機は20日、今秋に発売する冷蔵庫の新商品の価格を現行モデルより3〜5%値上げすると発表した。エアコンや自動車などでも値上げの動きが表面化しており、家計の新たな圧迫要因になりそうだ。
値上げするのは、原材料の鉄や樹脂などの価格高騰が原因だ。三菱電機によると容量400リットル前後の冷蔵庫は、重さ約80キログラムのうち鉄を約40キログラム、樹脂を約30キログラム使用する。原油高の影響を受け、冷蔵庫に多く使われているABS樹脂の1キログラムの市況価格は、5年前の165円から現在は240円に上昇。鉄は1トン当たりの市場価格が5年前の4万7000円から現在は約2倍の9万5000円に値上がりしている。
家電事業部の田代正登部長は「部品点数を減らすなどコスト削減を進めているが、素材の高騰をカバーできない」と訴える。値上げによって、消費者離れが進む可能性もあるが、機能やデザインを高めて消費者にアピールするという。東芝ホームアプライアンス、日立アプライアンスなども値上げを検討している。
エアコンも、三菱電機が今秋に発売する業務用と家庭用の新製品で10%前後値上げする方向で調整を進めており、日立アプライアンスも値上げの方針を固めている。エアコンは銅の使用量も多いが、銅の市場価格は3年前の約2・5倍の水準に高止まりしている。
原材料価格の高騰に悩むのは自動車業界も同じ。最大手のトヨタ自動車は週内にも車両価格の値上げを正式に決める。対象は「プリウス」などハイブリッド車2車種と一部の商用車に限定し、上げ幅は1〜3%で1台数万円程度となる見通しだ。
急激な原材料高は電機メーカーや自動車メーカーの業績を圧迫しており、4〜6月期連結決算では減益となる企業が少なくなかった。日立製作所は年間400億円と見込んだ原材料高の影響を600億円に引き上げ、三菱電機も今年度は360億円のコスト増になると見込んでいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000099-san-ind