過酷な競争と減速する経済の中にあって、米国市場の携帯電話機メーカーはすでに厳しい影響を受けている。
NPD Groupが米国時間8月19日に発表した調査によると、米国における2008年第2四半期の携帯電話機の売り上げは前年同期比で13%減となったという。
NPDは、携帯電話機メーカーは全体で、2008年第2四半期に約24億ドルとなる2800万台を米国で販売し、前年同期比で2%減となったと述べる。
サムスン電子は7月に発表した第2四半期決算で、世界的な経済の減速とメーカー間の競争激化により厳しい局面が予想されると投資家に警告した。一方で、Nokiaなどのメーカーは海外、特に発展途上市場での好調な販売を維持している。ABI Researchは先ごろ、携帯電話機の売り上げは2008年に世界で13%増加すると予測している。
世界的には好調である一方、米国での販売は落ち込んでいる。しかし、これは驚くべきことではない。というのは、米国での携帯電話の普及率は80%以上で、その多くは2年契約であるため、契約が終了するまでは新しい電話機への買い換えには余分な費用がかかるからだ。
とはいえ、成熟市場での状況は、Motorolaなど米国内での販売に依存する携帯電話機メーカーにとっては頭の痛い状況だ。
Motorolaは第2四半期の利益を何とか確保したが、そのほとんどはコスト削減によるものである。しかし、現在分離が進められている同社の携帯電話機事業は財務上の負担になっている。
NPDによると、Motorolaはこうした困難にも関わらず、第1四半期は米国市場で首位を辛うじて維持したという。しかし、同社の米国における市場シェアは第1四半期と比べて6ポイント、前年同期比で11ポイント減少した。
一方で、LGやResearch In Motion(RIM)、サムスン電子は市場シェアを伸ばしている。(CNET Japan)
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