記事登録
2008年08月18日(月) 21時18分

大手家電各社 リサイクル料金を値下げ産経新聞

 三菱電機は18日、11月から家庭用エアコンやブラウン管テレビなどを回収してリサイクルする際に徴収するリサイクル料金を引き下げると発表した。松下電器産業やシャープなども同様に料金の引き下げを表明しており、大手家電メーカーが相次ぎ価格を見直している。資源価格が高騰する中、廃家電から回収できる金属類の価格が高騰しており、料金を下げて回収をさらに促すのが目的だ。また、小型家電の不法投棄防止につなげたい思惑も背景にある。

 三菱電機、松下、ダイキン、シャープ、東芝の5社は、11月1日から一斉にエアコンのリサイクル料金を現行の3150円から2625円に下げることを決めた。エアコンは「金属の塊」といわれ、回収できる銅は標準機種で1台5キログラム前後、高級機だと7〜8キログラムに上る。機種によってはアルミも数キログラム回収できるという。

 銅の市況価格は3年前のほぼ3倍で高止まりしており、エアコンから多量の銅が回収できれば「家電のリサイクル処理にかかる費用の収支改善につながる」(メーカー)と期待が高まっている。最近は「リサイクル技術が進んで純度の高い銅の回収が可能になった」(シャープ)こともリサイクル料金の値下げを後押しした。

 一方、ブラウン管テレビは三菱電機、松下、シャープ、東芝、ソニーが15型以下のみを2835円から1785円にする。冷蔵庫は容量170リットル以下を対象に三菱電機、松下など4社が4830円から3780円に下げる。ブラウン管テレビと冷蔵庫は、小型機種のみリサイクル料金を下げ、年末商戦の買い替え期に増える不法投棄防止への効果を期待している。

 ただ、家電リサイクル法でリサイクルが義務づけられている洗濯機は、多機能化が進み重量が増えていることなどから回収コストがかさむため、料金の引き下げを見送った。

 原材料に金属類を多く使う家電や携帯電話の廃棄製品は、リサイクル向けの資源が眠る“都市鉱山”と呼ばれることもある。金などの希少金属が使われている携帯電話などでも、最近になってリサイクルの取り組みが始まった。資源価格の高騰は、「リサイクルの促進には追い風になる」(メーカー)と見る向きもあり、エアコンなどの製品値上げを招く「負の側面」だけではなさそうだ。

【関連記事】
毒性のPCB漏れる 秋田の電柱変圧器 被害はなし
【主張】レアメタル 資源回収の態勢強化せよ
ソニーと東芝、小型テレビリサイクル料引き下げ
貴金属盗の疑いで男逮捕 宮崎
廃棄処分された糸くず 命吹き込まれた「きびそ」へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080818-00000958-san-bus_all