自民党の古賀誠選対委員長は十七日のテレビ朝日番組で、二〇〇八年度予算をめぐり景気対策のため二、三兆円規模の大型補正予算を編成すべきだとの考えを表明した。与党内では衆院解散・総選挙をにらみ大型補正を求める声が勢いを増してきたが、「ばらまき批判」を警戒する福田康夫首相は慎重姿勢を崩していない。政府、与党の調整は週明けから本格化する。
古賀氏は次の臨時国会で補正予算を編成すべきだと強調し、規模について「二兆円、三兆円という金額なら知恵は出せる。赤字国債に頼らなくても出せる」と述べた。
森喜朗元首相も同じ番組で「しっかりしたものを出すべきだ」と述べ、大型補正予算を求める考えを示した。公明党も既に「兆円規模」の補正予算を主張しており、与党幹部の間では「大型」が共通認識となっている。
ただ、自民党の麻生太郎幹事長が十五日に首相と会談し大型補正予算を求めたのに対し、首相は明確な言質を与えなかった。与党幹部は「首相は、財政規律の緩みを恐れる財務省や中川秀直元幹事長からくぎを刺されているのでは」とみる。
補正予算論議が衆院解散戦略と絡むのも慎重姿勢の一因とみられる。公明党内には大型補正を成立させた直後の解散・総選挙を求める声があり、そうなれば首相が重視する新テロ対策特別措置法延長が吹き飛びかねない。補正予算をめぐる与党と政府の駆け引きが当面続きそうだ。